過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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217: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/02/03(木) 18:12:36.90 ID:6tJTLwGKo
第八話
木枯らしの吹きすさぶ中、ポケットに手を突っ込んだ格好で家路を急ぐ。
「うあー、くそさみい……」
今朝の天気予報によると、大陸からの寒波がどうたらこうたららしいが、そんなことは俺には関係ない。
ただ、くそ寒いという現実があるだけだ。
帰ったらまずコーヒーでも淹れよう。そんなことを考えながら歩いていると、我が家の玄関先に人影が見えた。
「あれ? あの子は……」
我が家の玄関先に立っていたのは新垣あやせ。どうやら桐乃の友人らしい。
俺の中であやせ=ストーカー説が消えたわけじゃないが、女の子が女の子をストーキングするという状況はちょっと考えづらい。
かつて公園で俺を問い詰めた件だって、桐乃が知らない野郎と歩いていて心配になったからだろうと思っている。
今になって考えると、あの時俺が感じた視線って実はこいつのものなんじゃないかと思うんだよね。
さて、それはさておき――
「あやせ……こんなとこで何やってんだ?」
「おおお、遅いです……おに、お兄さん」
可愛そうに、この寒さのせいであやせはがくがくと震えてしまっている。呂律すらまわっていない。
かつての天使のような笑顔の面影はなく、唇は紫がかっているし顔色は悪い。
いや、これはこれでかわいいんだけどね。なんか嗜虐心をそそられるというか……。
まあ、俺の新たな趣味の開眼はひとまず置いておいて、
「お、おい……大丈夫か? 一体何してたんだよこんなとこで。まさか、また俺に用か?」
「は、ははい。そう……です」
依然としてあやせの震えが収まる気配はない。これじゃあ話もろくにできないだろう。
このまま公園で立ち話でもしたら凍死してしまいかねん。あやせのあまりの悲壮さに思わずこんな提案を持ちかける。
「話は公園でってわけにはいかなさそうだな。俺の家で暖まりがてら話さないか? 今日はお袋がいるはずだから、あまり聞かれたくない話なら俺の部屋でってことになっちまうけど」
「いいい、いいんですか? じゃあお願いします」
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