過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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227: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/02/04(金) 23:46:43.31 ID:p73Hlf10o
「まあ、問答無用でってわけじゃないんです」
「え? そうなの?」
「はい。私はお兄さんのことを全然知りません。ですから、今はまだ迷ってる状態なんですよ」
結論を先延ばしにした、もったいぶった話し方。切羽詰まった感が前面に押し出されていた前回とはまるで違う。
まるで、こちらの反応を窺っているかのようだ。
「で? 迷ってて? 俺はどうしたらいいんだ? その言い方だと何か条件なりがあるんだろ?」
「……なにをそんなに焦ってるんですか?」
早くしないと沙織が帰ってきちゃうの! ちくしょう、後先考えず俺の部屋に連れ込んだのは失敗だったよ!
あわよくば……ふひひ、とか考えた俺の馬鹿!
兄の部屋からは何やら話し声。聞き耳を立ててみればどうやら女の子。そしてその子は俺のことをお兄さんと呼ぶ…………。
あいつにこんな状況を見られたら、それこそ問答無用でギルティ――有罪である。
特に最後のはやばい。お兄さんはやばい。あいつが嫉妬に狂うのが目に浮かぶようだ。
「い、いいから早く話の続きを……」
「えーと……どこまで話しましたっけ?」
「今はまだ迷ってるってところ!」
「そうでした。ですから、お兄さんのこともっと知りたいんです」
「俺のこと?」
「はい。私、桐乃のことが心配なんです。今年の春くらい付き合いが悪くなったりしてたんですけど、ここ数か月は様子もちょっとおかしくて……」
今年の春――そう聞いて俺には思い浮かぶことがあった。ちょうど沙織が桐乃や黒猫たちと知り合ったのがその頃だ。
俺たちと遊ぶ時間が増えたせいで、今までの友人たちとの時間が減ったのだろう。
だが、もう一方の方に心当たりは全くなかった。
数か月前ってなんかあったっけ? そういや、桐乃が義妹になったのもそのあたりか?
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