過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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287: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/02/14(月) 21:55:07.90 ID:jopcByVxo
第十話前編
『お兄さん、人生相談があります。今から会えませんか?』
あやせからこんなメールが届いたのが一時間前。
既に日は暮れかかっていて、辺りは薄暗い。
今、俺は近所の公園にやってきていた。初めてあやせに会った時に連れてこられた公園だ。
ちなみにこの場所を指定したのは俺自身だ。未だに寒さが厳しい季節であるが、背に腹は変えられない。
あれから一週間しか経ってないってのに、また沙織に見つかったらえらいことだからな。こうやってあいつに黙ってこそこそとしてるのがいいこととは思わないが、聞く耳を持たないんだから仕方がない。
ふっ、さすが俺。同じ過ちは二度と繰り返さないぜ。
「くそっ、やpっぱりさみいな……」
あやせはまだ来ていない。あやせに返事をしてすぐに出てきたもんだから、予定の時間よりかなり早く着いてしまった。
これだけでも、いかに俺が浮かれているかわかってもらえるだろう。
ベンチに座って震えていると、あやせが小走りでやってくるのが見えた。
「ハアハア……こんにちは、お兄さん。……お待たせ……しました」
ここまで走ってきたのか、あやせは顔を上気させ肩で息をしている。
あやせのようなかわいい子のこんな表情を見て、邪な妄想が膨らむのを誰が責められるだろうか。
「よう、あやせ。そんなに急がなくてもよかったのに」
「で、でも……ハア……呼び出したのは……ハア……私ですから。急に呼び出してすいません」
息が上がっているのに喋るもんだから、一向に息が整う気配はない。
「とりあえず座れよ。息が整うまで待つからさ」
あやせは無言で頷き、俺のとなりに腰をおろした。
胸に手を当て、ふぅふぅと大きく息をしている。
まるで重大な告白を終えた後の女の子のように見え、どきりとしてしまう。
「ふぅ……お兄さん。早速ですが、相談に乗ってもらいたいことがあるんです」
「えっ!? あ、ああ。そうだったな」
そんなことを考えていたもんだから、急に声をかけられた俺は声が上ずってしまう。
妙な気恥ずかしさからあやせから顔を背け、続きを促した。
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