過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
↓ 1- 覧 板 20
354: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/02/24(木) 19:23:35.46 ID:4wpeXllNo
「おまえら……そんなことで俺を呼んだの?」
「はあ? そんなことって何!? せっかくあんたも誘ってあげてんのに」
「まあまあ、きりりん氏。お兄様にも今日はご予定があったみたいですから」
怒り狂う桐乃を鎮める沙織。これはこれで何度繰り返されたかわからないやりとりだ。
だが、こっちは落ち着くといった雰囲気はかけらもない。
先ほどかかってきた電話は沙織からのものだったのだが、すぐさま桐乃が電話を取って代わり「今すぐ帰ってこい!」とだけ俺に告げると、そのまま電話を切ってしまった。
「大方、ベルフェゴールと一緒にうだうだしながら茶でも飲んでいたのでしょう? いいじゃない、暇だったのは間違いないのだから」
「ぐっ……」
……確かにそうだけどさ。俺には俺なりの休日の楽しみ方ってのがあるんだよ……。
こいつらに説明したところで理解してもらえないだろうから言わねーけど。
「申し訳ありませんお兄様、エントリーの受付が今日までだったもので……」
ぐるぐる眼鏡を装備し、オタクファッションに身を包んだ沙織が頭を下げた。
なんでも、こいつらが俺を呼びだしたのは、近々シスカリの大会があり、それのエントリーを済ませたいからとのことだった。
「なんでその大会に俺が参加する必要があるんだよ。おまえらだけじゃ駄目なのか?」
確かに、アーケード版とはいえあのゲームの大会に女の子だけで参加するってのは勇気がいるのかもしれないけどさ。
俺なんていたところで戦力的には何の役にも立たないぞ? この中で一番弱いのは間違いなく俺だしな。
「実はこの大会、タッグ戦なのでござる」
「タッグ戦だあ?」
どういうこと? タッグ機能なんてついてたっけこのゲーム?
「この大会だけの特別ルールよ。特設の筐体を使うらしいわ。ダメージこそないけれど、味方への当たり判定があるみたいだから、タッグを組む相手とのコンビネーションが重要になるわね」
俺の疑問に対してご丁寧に解説をしてくださる黒猫。
当たり判定――ゲームをしない人にとってはあまり聞き覚えのない言葉だろう。
まあ、おおざっぱに言えば味方にも自分の攻撃が当たるってことだ。攻撃が当たると、攻撃を受けたキャラは吹っ飛んだり、怯んでしまって動きが一瞬止まる。その結果、せっかくのコンボが途切れたりするってわけだ。
最悪の場合、仲間同士で足の引っ張り合いになってしまうってこともありうる。
「で? あんたは誰と組むの?」
「えっ?」
「そう、それこそがお呼びした理由なのです。お兄様」
そう言って、したり顔で俺の鼻っ面にずいっと指を突き出してくる沙織。
「先ほど黒猫氏が申した通り、今回は味方にも当たり判定が存在します。よってパーティー構成こそがこの大会において、最も重要な戦略となるのです! そして上位入賞のあかつきには、豪華賞品が贈られるのでござるよ!」
「……だったら余計俺が呼ばれた理由がわからんのだが」
「はて? どういうことですかな、お兄様」
「その豪華賞品? がなんなのかは知らないけどさ、勝ちに行くんならまずおまえらの中でチーム組んで、その後で俺とあまりで組めばよくねえ? こん中じゃ俺が一番下手くそなんだしさ。チーム構成考えるときに俺がいてもややこしくなるだけだと思うぞ」
533Res/332.38 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。