過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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376: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/02/28(月) 22:06:58.95 ID:/rgor//go
結局、沙織が帰宅するまでの5時間近くの大半を玄関で過ごすことになった。
ガチャリ。ドアの模様を完全に暗記できるほど見つめた頃、ついに玄関の扉が開き沙織が帰宅した。
「ただいま帰りま……あら、お兄様。そんなところでどうなさったんですか?」
沙織は少し驚き、不思議そうな顔をして俺を見つめている。
電気もつけずに階段に座り込んでる兄貴を見れば当然の反応と言えるかもしれない。
「……おかえり」
さて、どう切り出したものか……。
しかし、なんと言ったところで俺が沙織の受験を忘れていた事実は変わらない。合否発表どころか試験日程すら知らない始末だ。
ブラコンの沙織のこと、忘れられてたと知ったら怒るだろうなあ。
考える時間だけは大量にあったにも関わらず未だに答えは出なかった。
「そこ、暗くありませんか?」
沙織は俺の前に立つと、俺の顔を覗き込んだ。
「すまなかったあああ!」
額を床にこすりつける勢いで、全力で土下座。
「ひっ! お、お兄様!?」
「すまなかった沙織! 俺はおまえのことをすっかり忘れて――」
「は、話が見えませんわ! あ、頭を上げてください!」
ちょっと大げさにすぎるだろうか。
いや、沙織が受けるショックを考えたらこれぐらいは……。
「俺、実は沙織の受験のこと完全に忘れてて……知らないうちに受験勉強の邪魔とかしてなかったか!? ちゃんと勉強できたのか!? 試験日は? 合否は?」
我ながらとんでもないシスコンっぷりである。ここまでくれば立派に変態のお仲間と言える。
だけど、仕方ねえだろ。俺は妹が――沙織が大好きなんだよ。
こればっかりは誰にも止められない。誰にも譲れない俺のアイデンティティだ。
「どっ……どうなんだ!?」
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