過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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407: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/03/03(木) 21:54:32.39 ID:fh2Yys3do
「あ、あのね」

意を決したのか、ようやく桐乃が言葉を紡ぎ始める。

「最初はあんたみたいな兄貴がいたらいいなって思ってた」

秘密を懺悔する少女のようにぽつりぽつりと、だがはっきりとした声で。

「でも、それだけじゃなかった。地味で冴えないくせに……ただひたすらに優しくて」

桐乃はまっすぐに俺を見つめてくる。
桐乃の顔が赤いのは夕焼けに照らされているからか……それとも……

「やっと気づいたの! 私は……沙織に負けないくらいあんたが好き! だからっ!」

こ、この流れは……。
ま、まさか……まさか…………まさか! 

「あたしと付き合って下さい!」

顎が落っこちるかと思った。開いた口は塞がらない。
桐乃の用事は、暗い思考を吹き飛ばしてくれるとかそんな生易しいものではなかった。
俺の思考をそれ一点に集め、他のことなど跡形もなく吹き飛ばしてしまう。

「……だ、だめ?」

そう声をかけられるまで、時間が止まっていた。
はっと我に返り、桐乃の顔を見る。
目にはうっすらと涙がにじんでいて、今にも泣きだしてしまいそうだ。
俺はどうすればいい? 俺と桐乃が付き合うことになったら沙織はどう思う? そもそもこのことを知っているのか?
そんな考えがぐるぐると頭の中で渦を巻く。
そんな中、先ほどまで俺の思考をとらえて離さなかった黒猫の言葉が脳裏をよぎった。

「あなたこそ早く妹離れしたらどうかしら」

そうだ。この後に及んで俺はなんで沙織のことを気にしているんだ。
大事なのは俺の気持ちじゃないのか。桐乃の告白を受けるにしろ断るにしろ、沙織を理由にするなんて桐乃に対しても沙織に対しても失礼極まりない。
まさかこれを見越して言ったわけじゃないだろうけどな。ありがとよ、黒猫。



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