過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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406: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/03/03(木) 21:53:34.71 ID:fh2Yys3do
「よう」
『明日、17時に公園まで来て』こんなメールに呼び出された俺は、既に到着していたらしい差出人に声をかけた。
「おそい」
メールの差出人・桐乃は少しふてくされたように頬を膨らませる。
「何言ってんだ、時間通りじゃねえか」
今の時刻は16時55分。約束の時間まではまだ5分ほどの余裕がある。
これで遅いと怒られたんじゃたまったもんじゃねえぞ。おまえは一体いつから待ってたんだ。
「今日はどうしたんだ?」
またぞろ人生相談と称した体のいいお願いに付き合うことになるのだろうか。
それもいいな。今はなんでもいいから体を動かして暗い思考を吹き飛ばした気分だしよ。
「……また人生相談か?」
桐乃が中々答えようとしないので先回りして尋ねてみた。
しかし、桐乃は黙ってふるふると首を横に振る。
人生相談じゃないのか。じゃあ一体なんだ? 人生相談以外の用事って言ったら……?
駄目だ。俺には一向に思いつかない。ここは大人しく桐乃の言葉を待つことにするかな。
桐乃は、ふぅ……と深呼吸をひとつしてから、ぽつりぽつりと話しだした。
「あんたをここに呼んだのは……人生相談が……あるからなの」
「はあ? さっき人生相談かって聞いたら違うって言ったじゃねえか」
「う、うう、うっさい! どっ、どうでもいいでしょそんなこと!」
桐乃は不機嫌に舌打ちをし、ライトブラウンの髪をかきあげる。
その流れるような長髪は、夕焼けに照らされて黄金色に輝いて見えた。
あれ、なんだこの既視感。この光景どっかで見たことあるぞ。デジャブってやつか?
「じゃあなんなんだ?」
俺の問いに桐乃は顔を赤くするだけで一向に答えない。
何かを言おうとして口を開いてもそのままもごもごとするだけで、結局言葉は出てこずそのまま顔を背けてしまう。
なんだか妙に切羽詰まっている様子だった。
彼女の焦燥に釣られたのか、俺の胸はどきどきと鼓動を速めていく。
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