過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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465: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/03/11(金) 01:14:09.52 ID:TnzDLdHjo
「まあ、黒猫氏も今度きちんと謝れば許してくださると思います。ところでお兄様、正座は30分ほどでよろしいですかな?」
「……はい」



こんなことがあったせいで、ここ最近黒猫に連絡しづらくなっていたのだ。
もちろん、すぐさま謝罪はした。したのだが、「はいはい、わかったわ」とあっさり流されてしまったのだ。
怒ってるはずの相手に謝罪をして、あっさり流されるってのはなかなかにおっかないぜ?
いっそ、怒ってくれた方がすっきりする。

「あいつ、連絡くれっかな?」

そんなことを考えながら、椅子に座ったまま床を蹴り、子供みたいに椅子と自身を一緒にくるくると回転させる。
ひとしきり回転した後、千鳥足になりながらも自分のベッドへとダイブする。

「好みねえ……」

考えたこともなかったな。大きい小さいの話じゃないぞ。女性像の話だ。
今までは、沙織がいて、麻奈実がいて、桐乃や黒猫と馬鹿やって、あやせとも知り合って――そんな中でも特別誰かを好きになるとかってのはついぞなかったしなあ。
そりゃあ、まわりは美少女ばっかりで、確かにかわいいとは思うんだけども、好きとは違う気がする。
ほら、よくあるだろ? 好きとまではいかないまでも、ちょっといいなと思うあの感じ。俺の気持ちはあれに近い。
俺の好みってどんなだっけ?
むくりと起き上がり、ごそごそとベッドの下の段ボールを漁る。
そして、そこに収められている我がお宝を見つめ、

「これは好みじゃなくてフェチだからなあ……あてにならん」

再び封をして奥へと押しやった。
自らの好みを聞かれてはっきりと答えられないことが、今までいかに流されて生きてきたかを物語っているかのようで、少し悲しく思えた。

「こればっかりは相談もできないしな」

ちょっぴりブルーな気分にひたっていると、机上の携帯が鳴った。
携帯のフリップを開く。その画面には“黒猫”と表示されていたのだった。



第十四話(黒猫√)おわり



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