過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
1- 20
483: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/03/15(火) 17:21:46.53 ID:Lj3urlD7o
「ふぃ〜、よかった。入ってた」

どうやらプレゼントを探していたらしい。
俺も桐乃に習い、自分の鞄からプレゼントを取り出す。沙織へのプレゼントは少々かさばるので取り出すのも一苦労だ。そのため、今日俺はやたらでかい鞄を用意する羽目になってしまった。
これじゃあ、何か企んでますよ、と自白しているようなものだ。
自宅ならどこかに隠しておいて――ってのもできたんだろうが、今日はこの後に秋葉めぐりも一緒に行う予定だからな。自宅で集まるのは少々都合が悪い。
沙織のプレゼントに関しては、あげたあとも家に帰るまでは俺が持つつもりでいたし、多少かさばっても許してくれるだろう。

「はいこれ。受験合格おめでとう!」

桐乃が一足先に沙織にプレゼントを渡す。
「ここで開けても?」と沙織が一言断りを入れる。そして、桐乃が頷くと嬉しそうに開封し始めた。

「ほう! HG1/144デスティニーガンダムに……これはクレオスのメッキシルバーではないですか!」

沙織が驚くのも無理はない。このクレオスという会社のメッキシルバーというマーカーペン。
優れた発色と定着性を有しながら原材料の関係ですでに生産中止されており入手が困難となっているのだ。
ただ、これは後で知った話なのだが、近々同じクレオスという会社からメッキシルバーUなるものが発売される予定らしい。ただ、その性能がこのメッキシルバーと同等のものかどうかはわからないとのことなので、このプレゼントは無駄にはならないだろう。
桐乃がどうやってこのレアもののプレゼントを手に入れたかは後々説明しよう。

「じゃあ、次は俺な。合格おめでとう。それから、いつもありがとな」

そう言って、沙織にプレゼントを渡してやる。
子供みたいか顔をしてそれを受け取り、開封していく。

「こっ、これは!」

その先は言葉がでないようだった。
俺が選んだプレゼントは、SDガンダム0074黄金神スペリオルカイザー。
こちらも再生産がおこなわれていない所謂レアものだ。ガンプラファンにはたまらないものらしい。
ちなみに、桐乃とプレゼントの方向性が被ってしまったのは偶然ではない。実は、先日桐乃と一緒にプラモ屋巡りをしていたのだ。
こういう珍しいプラモやアイテムを手に入れる手段は、おおまかにわけて三つある。ネットオークションで落とすか、古い模型屋に残っていることを祈ってプラモ屋巡りをするか、またはそういう珍しい玩具を専門に扱う店を訪ねるかだ。
一つ目と三つ目に方法に関してはとにかく金がかかる。特に、俺が選んだ方のプレゼントは、組み立てた後のものですら定価の倍はくだらないという超レアものだ。
読モやってる桐乃はまだしも、一介の高校生である俺には二つ目の選択肢しかなかった。
今にも潰れてしまいそうな模型屋の奥にひっそりと(しかも定価で)置かれているのを見つけたときは、俺ですら小躍りしちまったくらいだ。
事前にレアプラモの知識を詰め込んでいかなかったら、俺も気づかなかっただろう。

「こ、これが夢にまで見た……ごくり」

プレゼントを受け取った沙織はハアハアと息を荒げ、まじまじと箱を見つめている。珍しいな、沙織がこんな状態になるなんて。
そこまで喜んでくれると俺も苦労した甲斐があったというものだ。あの日は、桐乃ともども足が棒のようだったからな。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
533Res/332.38 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice