過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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503: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/03/19(土) 17:58:14.30 ID:BTEDHaXWo
大会当日。俺たちはシスカリ大会に参加するため、秋葉原に集まっていた。
この一週間、沙織はつきっきりで俺の特訓に付き合ってくれた。桐乃と黒猫も秘密特訓をしていたらしいが、果たしてその成果やいかに。

「そういえば、大会ってどこでやんの?」
「会場はso○map内のイベントフロアとなります。すぐそこですな」

沙織たちの後に続き、会場へと移動する。
会場は既にオタクたちで埋め尽くされており、イベントが始まるのを今か今かと待ち構えていた。

「……結構な人数来てんな」

まさか全員が参加者ってわけじゃないだろうが、それでもざっと見回して100人以上はいるように見える。
こいつらとやりあって勝てるんだろうか、黒猫たちはともかくとして。なにせ相手は沙織や桐乃、そして黒猫よろしく本気でこのゲームを愛しているような奴らなのだ。
俺、すっかり自信なくなってきたぜ。

「大丈夫です、お兄様。あれだけ特訓したのですから。それに、何事も参加することに意義があると申しますし」

自信喪失気味なのを見かねてか、沙織は快活な笑みを浮かべ俺を励ましてくれた。
ほんと、こいつには俺の考えることが筒抜けだな。

「ありがとな」

すると沙織は、いつも通りに口をこんなふうωにしてにま〜と笑ったのだった。

結果から言うと、俺と沙織は3回戦負けだった。
特訓の成果や組み合わせの運も重なり、1,2回戦を突破することに成功したのだが――
所詮は付け焼刃。自力の差が露呈し、敗北と相成った。
ちなみに、桐乃と黒猫は1回戦負けだった。
なんというか……案の定足の引っ張り合いを展開してしまった結果がこれである。
それでも試合終了後には

「あんたのせいだかんね!」
「ふん、あなたがのろまなのが悪いのよ」

と、いつもの二人の様子を見せてくれたので心配はいらないだろう。

「賞品、残念だったな」

あと2勝していればお目当ての賞品が手に入ったんだけどな。残念ながら手元にあるのは1回戦を突破したチームに与えられたストラップだけだ。
そして、まことに残念なことにこのストラップ。なんというかエロい。
描かれているキャラクターは半裸であり、しかもロリ属性ときたもんだ。
いや、エロゲが元なんだから当然なんだけどさ。これじゃあ携帯につけるわけにゃあいかないな。
普段使えないものを貰ってもなあ……。

「……きもっ。なにマジマジと見つめちゃってんの? この変態」
「ちっ、ちげーよ! そういう意味で見てたんじゃねえ!」
「あら、ならばどういう意味で見ていたのかしら? ロリコンでシスコンの兄さん?」
「黒猫、おまえまで!?」

ぎゃあぎゃあと騒ぐ俺たちをよそに、沙織は手に入れたストラップをにこにこと見つめていた。



第十二話(沙織√)おわり



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