過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
↓ 1- 覧 板 20
9: ◆5yGS6snSLSFg[sage]
2011/01/12(水) 22:57:17.61 ID:KZdJ5BByo
そんな道理、俺の無理でこじ開けてやる!!
「よく聞けよ親父!あいつは家を飛び出して泣いてたんだ!……もちろん俺にゃあ、あいつの趣味はサッパリ理解できねえよ。できねえけど!夢中になるのってそんなに悪い事かよ!?そういうのってさ、大事なもんじゃねえのかよ!そんな簡単に捨てていいもんじゃねえだろ!いいか……!これでもあいつの趣味を認めねえってんほざくんなら……!沙織の代わりに俺が親父をぶっ飛ばすぜ!?」
親父は厳然と俺を見据えたまま、ほんのわずかに……目を見開いたようだった。
やがて感情をまじえない声で、こう返事が来た。
「…………おまえの言いたいことはわかった」
「ほ、本当か!?」
「同じことを言わせるな。だが、おまえにも協力してもらうぞ」
「え?」
「こ、これは塗装ブースではありませんか!」
「親父がこれ使えってよ。おまえが自分の部屋で、これ使って作業する分には許してくれるそうだ」
でも、なんでうちの親父はこんなのをすんなり用意できるんだ?
「ありがとうございますお兄様!あぁ、これで匂いを気にせず塗装ができるのですね!」
あまりの嬉しさに小躍りして喜ぶ沙織。
「はは、よかったな。後で親父にもお礼言っとけよ」
「はい!ふふふ、それでは早速塗装を始めるといたしましょう!」
まるで子供みたいだな。あんなに喜んじまって――
いやいや……みたいじゃなくて。沙織はまだ15歳じゃねえか。
あんだけ背が高いとついつい忘れがちになっちまうな。
「でも、この排気口……どこに繋がっているのでしょう?」
「……さあな。とりあえず家の外だろ」
「それもそうですね。あれ?お兄様はおでかけですか?」
「あぁ、近所のホームセンターまで――」
ちょっと消臭力買いに行ってくる。
第一話おわり
533Res/332.38 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。