過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.6
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884:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/16(日) 18:27:42.64 ID:dfLwBmsm0
シャツを掴む力が一気に弱まった。俺は桐乃の言葉を受けて放心状態にあったが、
しばらくして、その告白ともとれる台詞に対して返答をした。

「駄目だ」
「え……?」
「桐乃、俺はお前の兄貴だ。兄が妹とそういう関係に陥るのは……」

その刹那――何かに言葉を遮られた。

「――!」

桐乃の柔らかく端々しい唇が、俺の唇に重ねられていた。顔が急激に火照っていく。
触れ合った肌から、口唇から、桐乃の脈打つ音が感じられた。


――それから幾許の刻が流れただろうか。ふいに桐乃が顔を離し、囁いた。

「……てよ」
「え……?」
「あたしを女として見てよ……お願い……」
「……」

俺は視線を天井に移して桐乃が御鏡を紹介した時の事を振り返っていた。
何故あんなにも苛立ちを感じ、焦燥感を覚えたのか。
何故、御鏡をぶん殴りたい衝動に襲われたのか。

彼氏が出来た妹に歯痒さを覚える兄貴というのは、どこの家庭でも聞く話だ。
だが、俺はどうだ。御鏡が桐乃の彼氏と聞いた時の、それらの事例を遥かに凌駕する程の
嫌な感情が体中を駆け巡ったのはどういう事なのか。

それはつまり――

自分の中で幾重にも渦巻いていた意味不明のマイナス感情が、完成したジグソーパズルの如く
一つに収束していく気がした。



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