789:とある複製の妹達支援[saga]
2011/05/16(月) 00:01:02.76 ID:1NMfPxNLo
ステイル「――なるほどね、発火能力者(パイロキネシスト)とか言う奴かな?」
15にも及ぶ火球は、新倉を中心に――まるで彼を守護するかのように、その周囲を回っている。
新倉「能力が使えるようになったのはいいんだけど、こう……ビシッと決まる名前がなくてさ」
指差すのは、南の空。
宇宙の遥か彼方にて、光を放つ、天蝎宮。
その中でも最も赤く燃え、最も強く輝く、一等星。
その名の意味は、荒ぶる神、アレスに抗いし者。
火星と同一視される、古き神に対抗すべく、炎は熱く、猛っていた。
新倉「アンタの炎を見ていたら……自然と思い出していた」
それは、根源であり、約束。
それは、遺言であり、遺産。
過去から未来への希望を求めて。
未来から過去への警告を告げる。
――アクメツ誕生の契機。
新倉「俺の親友が書いた、遺作の名前だ」
異端の発火能力者(パイロキネシスト)は、自らの能力に……その『運命の名』を貰う事にした。
能力名『孤高赤星(アンタレス)』
新倉「――あの南の空に輝く星の名前じゃん」
この能力は……彼が『新倉生』であるが故に産まれた能力。
ステイル「…………へぇ?」
新倉「アンタの御蔭で、イイ名前が決まったじゃん――あんがと」
皮肉等ではない、純粋なる感謝の念。
ステイル「なるほど、能力者にしては、マシな名前を考えたね」
口調こそ穏やかだが、魔術師の声に怒気が混ざる。
ギリシャ神話に登場する、戦を司る神、アレス。
かの存在は、戦闘における戦士の狂乱や破壊の衝動を神格化したものと言われている。
――その二つ名は『城壁の破壊者』
それに並び、抗おうとする赤星の名を冠する、新倉の能力。
ステイル「そう、本当に……!」
『ある理由』から、拠点防衛用の魔術に特化したステイル=マグヌスにとって、その二つ名は。
ステイル「嘗めた名前を名乗ってくれるっ……!」
自分への挑戦としか思えなかった。
新倉「上等じゃん――『炎』対決と洒落込もうか、この不良神父っ……!」
奇しくも炎対炎。
能力者対魔術師。
異なる力でありながらも、選び、選ばれた物は同じ。
――今、覚醒の炎に彩られ、新たなる戦いの幕が開く。
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