過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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142:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/14(火) 23:44:20.18 ID:BQbw8is0


「俺にはわからねェって言っただろう。無能力者の気持ちなんざァよ」


結局一方通行が向けることの出来る言葉はこれだけだった。
その言葉が少年の口から出た瞬間の佐天の表情を何と表現すればよいのだろうか。
わかっていたことだと納得、諦めの表情の中に、隠しきれない落胆と失望。
そして、裏切られた、堪えきれない哀しみがあった。
信じていた者、縋っていた者、期待していた者に、伸ばしたその手を払われた者の浮かべる表情の色。

それは一言で言ってしまえば『絶望』という色だ。

しかし、絶望の色に染まりきる前に、佐天の熱で赤くなった頬を白い手が覆った。
細長い指が佐天の目尻の泪を拭う。


「けどなァ…」


自分のしているおかしな、珍妙な、不可思議な振る舞いについてのツッコミを後に、一方通行は言葉を自分の中から探る。
引っ繰り返して、何か出てこないか振ってみる。
何が彼女にとって最適な言葉であるのかなどわからない。
自分はあの真っ直ぐな電撃姫でもなければ、目を覚ますような痛烈な言葉をぶつける幻想殺しの少年でもないのだ。
ただの語るに及ばぬ悪党。



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