過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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165:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[saga]
2010/12/15(水) 22:43:19.11 ID:plvK0H60

気にするなという方が無理な話だと言いたくなるほどにわかりやすくしゅんと項垂れる少女。
なにやらナーバスになるような切実な問題であったのだろう。佐天は急激に罪悪感に駆られる。
自分よりも大人びた少女が子猫のように項垂れる様は、一層痛ましい。こうなってしまっては、放っておけない。
佐天の世話焼き属性がムクムクと頭を擡げる。


「あぁ、あのですね。いきなりかもしれないけど、もしですよ?もし、よかったら何ですけど私で良かったら聞きましょうか?もしかしたらお役に立てるかもしれないし」
「役にって…料理の?」
佐天はにっこりと笑い、頷く。
「人の経験談って案外参考になるんですよ。ちょっとした失敗を直すだけで料理って結構味とか変わってきますし」
少女の瞳が驚きに丸くなる。
「いいの?本当に」

「ハイ、お姉さんが宜しければ。私も……ちょっと予定が無くなっちゃってて。だから全然オッケーですよ。あ、私、佐天涙子っていいます」

期待を瞳に秘め、少女がおそるおそる伺う。これではどちらが年上かわからないなと佐天は苦笑する。

「そっか。私も用事済んじゃったから大丈夫だよ。私は結標。結標淡希。よろしくね、佐天さん」

二つ結びの少女 ――― 結標淡希は何か慣れぬ事をするように頬を染めて、微笑む。
美人は笑うと更に美人なのだなと、佐天は感心と共に内心羨望の念を抱いた。




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