過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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348:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[saga]
2010/12/23(木) 00:35:46.11 ID:Gj0DZH.0

番外個体の声に、普段の張りが無いことに気づかず、一方通行はジャケットをハンガーに掛ける。

「暇つぶしに来やがったのかァまた。お前もう少しマシなことに時間使えよ」

フィルターを用意すると、二人分の豆を入れる。

「何してるの?」
「何だ、生後一年のクソガキ2号は珈琲淹れるのもわかンねェのか」

馬鹿にしたような笑みを番外個体に向けると、すぐに視線を豆の方に戻す。
番外個体はクッションを抱きしめながら一方通行の背中をぼんやりと見つめる。
手際よく珈琲を淹れていく光景が、彼女には現実味がない。

「おらよ。ガキにはブラックは早いかもしれねェからな。適当にぶち込め」

シュガーポットを番外個体のカップの横に置く。
カップを手に取ると、番外個体が不審げに一方通行を上目遣いに見つめる。
何か、腑に落ちないことを探るように、見つけ出すように。

「コーヒーなんて…淹れてたっけ?」

「まぁ…最近覚えたンだよ」

はぐらかすように、切り捨てるように言い切る。
佐天との時間の話しを、わざわざ口にしようとは思わなかった。あの時間は彼女と自分が知っていればそれでいいだけの気がするのだ。
しかし、番外個体は、一方通行が一瞬浮かべた照れた表情を見逃さなかった。


番外個体の瞳に、昏い光が浮かぶ。



「あン?」

一方通行は番外個体が座る傍らに黒いエプロンが無造作に置かれていることに気づいた。
手に取った黒いエプロンにじっと視線を落とす一方通行。


「あの子なら帰ったよ」

不意に彼の耳朶をざらりとした声が撫でた。
番外個体の硬い声に、一方通行は顔を上げる。
声の響きに、異様なものを嗅ぎ取る。




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