過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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382:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[saga]
2010/12/23(木) 23:27:32.95 ID:XQe47EI0

『アイツはね、人を殺したことがあるの。うっかりとか、誤ってとか、事故じゃないよん勿論。
どう能力を使えば傷ついて、どこまで能力を出せば生命維持が出来なくなるのかをわかった上で。
その上で殺したの。それも一人や二人なぁんてけち臭い人数じゃなくてね、何と聞いてビックリ、
一万人ものいたいけな少女達を殺しちゃったので〜っす』


ケラケラと壊れたような、渇いた笑いが耳の奥にこびりついてる。


彼の人の過去を告げられた。訳のわからない震えに耐え切れずに自分は逃げ出した。
一体誰から、何から逃げ出したのか。それを考えるといまひとつはっきりとしない。


友人にとても良く似た少女、悪意に満ちた彼女の視線に恐れを為したのか。

そうなのかもしれない。
青い火花を散らしながら犬歯を剥き出しにする少女を本能的な力の差を察知して自分は恐れた。
しかし、それが全てではない。


ならば彼女の語った言葉にか。
それもまた違う気がする。
顔に湯を軽く当てると息を吐く。それも違う。


彼女の言葉を自分はただ聞いただけだ。

その意味を解釈することも、把握することもしていない。というよりもピンとこなかったのだ。


「一万人…」

水音しかしない浴室に、呟いた声は予想以上に反響し、佐天涙子の耳に響く。
言葉に出す、そしてその言葉についてもう一度考える。
両手に湯をすくい、揺らめきの中に映る照明を見つめながら一万人と転がすように呟く。
実感の湧かない数値だ。



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