過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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383:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[saga]
2010/12/23(木) 23:30:26.11 ID:XQe47EI0

佐天の脳裏に浮かぶのは、学校の自分のクラス。
30人くらいのクラスである。

単位が小さ過ぎると、次に浮かべるのは全校集会。
500〜600人くらいだっただろうか。

まだまだ単位が小さい。そして思い浮かべようとして天井を仰ぐ。

低い浴室の天井のシミに目をやる。
先日の掃除で落としきれなかった水垢に目をやりながら、ならばと思考を巡らす。

大覇星祭。
学園都市中の生徒が集まる一大イベント。その人数ならばそれくらいいくのだろうか。

もしくは、それを見物すべく集まった人ごみなどをカウントするのならば、或いはそうなるのだろうか。

そこまで考えて、最早自分の中に浮かぶ映像が想像でしかなく、実感としては存在していないことに気付く。

佐天涙子という少女が思い浮かべることの出来るリアルな数字のイメージは精々が1000人が限度であった。

だからというわけではないが、一万人の人間を殺したということが実感として湧かない。
イメージが出来ない。
人を一人殺すことが許されないことだということは当然理解している。
御坂達と共に巻き込まれた事件の裏で人が死ぬこと、殺されることがあったのもわかっている。
少なくとも他の同年代の少女達よりも身近に接していると思う。


しかし、人を殺すような人間であっても、それが皆悪人であるわけではない。

人を殺さずとも、救いようのない人間は数え切れないほどいる。

一万人を殺した人間は、一人を殺した人間の一万倍悪人だなどという無茶苦茶な計算が成り立つ筈が無い事も須らく理解している。

それ以上に、そのような計算に当てはめてしまいたくはなかった、彼を。


ただ、人を殺す人間に共通しているのは何かと思えば、踏み越えてしまったという点。

その点においてのみ共通しているのだと、佐天はおぼろげに思う。

望むと望まざるとに関わらず、踏み越えてはいけない一線を踏み越えてしまった。
そこにどのような葛藤があったのかも、葛藤など欠片もなかったのかも、想像することすら出来ない。



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