過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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404:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[saga]
2010/12/24(クリスマスイブ) 07:05:56.61 ID:sGSyS7Q0

能力もない、闇など知らぬ彼女は仲間であるはずがない。
なることも出来ない。
そして、彼女にそのような闇を知ってほしくもない。
それでは家族か。それも少し違う。
家族というには、二人の間には距離があった。
よそよそしさという意味ではない。
家族には見せない気遣いとでも言うべきだろうか。
静電気のようなぱちんとした小さな緊張が二人の間の空気に仄かに漂っている。
決して不快ではない。不快ではないが不可解ではある。


一方通行にとって、とりあえずのカテゴリーにすら迷う少女が、自分の過去を知ってしまった。

一万もの命を奪った罪を知ったのだ。

普通の感覚ではありえない話だ。
忌むべき過去という言葉では生ぬるい。
人一人の命を奪うことすら究極の禁忌とされているのだ。
その一万倍、それを14歳の少女がどのように受け止めるのか、
一方通行には想像も出来ない。
想像も出来ないとは、彼女がどのような感想を抱いたのかではない。
一体どれほど深い嫌悪感を抱いたのか。
一体どれほど大きな恐怖を抱いたのか。
一方通行の心をかき乱しているのはその度合いであった。


今、彼女はどうしているのだろうか。

今、彼女はなにを思っているのだろうか。

今、彼女はどんな顔をしているのだろうか。

今、彼女は自分をどう思っているのだろうか。


彼女に会って話しをしたいと願うのと同時に、畏怖の眼差しで見られることに恐怖を抱く。
会いたいという気持ちと会いたくないという気持ちが背中合わせとなって心の中を占める。


「くそったれがァ…」

縋るものを求めるように番外個体を抱きしめる腕に力がこもった。





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