過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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46:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/11(土) 17:35:41.66 ID:KVww07Y0


『うめェ…』

思わず口からこぼれた賞賛の言葉。
ツンデレキングこと一方通行が素直な賞賛を口にすることなど、青ピーのナンパが成功することに匹敵するほどのレアさである。

番外個体であろうとも、結標淡希であろうとも、彼に手料理を振る舞って素直に美味しいと言われたことなどない。せいぜいが悪くねェ止まりだ。

『好き→嫌いじゃねェ』

『なかなか美味しい→食えなくもない』

と変換されてしまうのだ。


『ホントですか?良かった〜――― 特訓しておいて…』
『何だって?』
『あ、いえいえ、何でもないです。でも一方通行さんて器用な感じがしたんですけど、結構不器用さん?』

『うるせェ。悪いかよォ…』

『ああ、気を悪くしないで下さいよ。でも、珈琲好きなのに、豆があっても美味しく飲めないって結構生殺しじゃないんですか?』

『わ、わかるか?』

密かに己の抱えるジレンマに共感されたことが、一方通行の心をくすぐる。

『お仕事から帰って熱い珈琲を飲みたいなって思ってもコンビニで缶コーヒー買うわけになっちゃうんですよね?』

『お前…わかってンじゃねェかッ。ケッ…ガキのクセになかなか話せる奴だなお前』

友達いない歴が年齢の9割近くを占める一方通行は自分の気持ちに対して理解されることに極端に弱い。
ある意味においてメンタルが弱いのだ。
打たれ弱いのではなく、ガードが甘い。
悪意に対しての打たれ強さ、ガードは鉄壁であるというのに。
そんな長期政権を保有する王者が、好意的な感情を前にすると、とたんにグリーンボーイになってしまう。

悪意はベクトルで操作出来ても、イマイチ好意は操作出来ない一方通行だ。
悪意以外自分に向けられる感情など無いとばかりにオート反射スキルは伊達じゃない。
だから上手く反射できない好意は一方通行にとっては「魔法」のようなものなのだった。



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