過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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539:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[saga]
2010/12/29(水) 01:20:53.75 ID:TW5Selw0

まるでゲームのようだ。不謹慎なのを承知でそう思ってしまう。
羽を生やした男と、白い髪の少年がぶつかる度に建物全体がゆすぶられているような。
レベル5の力を目の当たりにしたのは初めてではない。
御坂のレールガンを見た時の衝撃は未だに色あせることがない。
しかし、この目の前の戦いは一体何なのだろうか。
御坂のように、電気というある意味わかりやすいものではない、もっと概念から異なるような。
能力の無い佐天には、言葉に説明することができない。
いや、言葉を失う世界という方が正しい。

彼女の目の前には華奢な背中。
彼女のよく知る背中。
彼女の為に珈琲を淹れてくれるあの背中である。
佐天はそれが嘘のようだと思った。
あの頼りなく、儚い背中が、抱きしめたいといつも思っていた背中が今は酷く遠い。



弾丸のように、ブーメランのように、あるいは流星のように、撃ち出される羽を一つ一つ、一方通行は読みとる。
目視するのでは間に合わない。事前にAIM拡散領域から伝わる波長をベクトル変換しているのだ。
眼前に迫る淡く発光する翼が爆ぜる。
即座に反射を働かせるが、読み切っているのか、垣根は苦もなく背に負った白い翼を振るう。
撫でるように振るうだけでえ、反射した爆発はすべて霧散する。
垣根が翼を振るう。一方通行が反射する。
反射した光はすべて垣根に向かい、それはたやすく散らされる。
一方通行のベクトル操作をすり抜ける物質を垣根の未元物質が創製する。
一方通行が即座にその物質を解析し、反射の枠内に捻り込む。

創製
反射
創製
反射
創製
反射

激しく明滅するなか、酷く単純な攻防の中に組み込まれた非常に複雑な攻撃手段の応酬。
互いに演算を駆使して、相手の先手を取るべく動く。
垣根が光の未元物質に紛れて別質の物質を織り交ぜれば、一方通行がそれを解析する。
解析とはいえ、それは即座に特定するわけではない。
垣根が作り出す未元物質をピンポイントでベクトル設定することは不可能である。
故に、一方通行はそれらを可能性の一つとして読む。それらを含んだパターンを用意し、ベクトルに織り込む。
垣根は、一方通行が取り得るだろうベクトルの軌道を、その速度を、そして対象を読み取る。


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