過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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540:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[saga]
2010/12/29(水) 01:21:56.36 ID:TW5Selw0
垣根は一方通行の先を読み。

一方通行は垣根の先の先を読む。

垣根は即座にその更に先を幾通りも読み。

一方通行はそこから派生する幾十通りも先を読む。

学園都市の頂点に立つ両者は、不敵な笑みのまま.

常に脳の中に幾億通りもの演算を組立て、訂正し、補強し、消去し、変更し、追加し、組合わせ、省略し、最適化していく。

しかし、拮抗する演算能力とは裏腹に、二人の立場は互角ではなかった。
垣根と一方通行の戦い、それはかつて学園都市のど真ん中で繰り広げられた時とは異なり、ビルの屋内、それも一つのフロア内という非常に限定された空間で行われていた。

「一方通行ァァァ!!能力の使い方に磨きが掛かってやがるなぁぁ!!」
「そういうテメェは鈍ったンじゃねェのかァ垣根ェェ」

上下、左右から風、光、熱、炎に混ぜ込まれた未元物質を、羽ごと弾き飛ばす。

「それにしてもマジでお前あの一方通行なのかよ?よくやるなぁ、そんなお荷物背負ってよ」


一方通行の背後の佐天に嘲りの目を向ける。
佐天の身体がびくりと震える。一方通行の脇をすり抜けるように、白銀の羽が佐天の目の前にするりと滑り込む。

「チッ…!!」

一歩踏み出すと同時に、弾丸のように佐天の前に踊り出た一方通行は乱暴に腕を振る。
目障りな蠅を追い払うように振るうと、未元物質が煌めきを放ちながら散る。


ひゅうっと垣根が嬉しそうに口笛を吹く。
佐天は、背中越しに覗く一方通行の額から一筋、汗が伝うのを見る。
そう、二人の立場は決して互角ではなかった。
佐天をかばいながら戦う一方通行。
自由に力を振るう垣根。
それだけではない、佐天をかばう為に、一方通行は垣根に割く以外にも演算を使い続けていた。
未元物質から、それがはぜる際の余波、失明しかねないほどの閃光。
電磁波、熱線、振動、音波、それらから守り、
反射した物質が佐天に向かぬように調整する。
破壊の爪痕が広がる中、切り取ったように、佐天の周囲だけが綺麗なままでいることが何よりもの証拠。
一方通行の表情に初めて焦りが浮かんだ。
佐天を守り抜いたものの、今初めて彼女へ未元物質の接近を許したのだ。
それは即ち、彼の演算が垣根の演算に追いつかなくなってきたということ。押され始めたことを意味する。




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