438:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[saga]
2011/01/21(金) 21:54:12.09 ID:fSpuMihf0
14年という歳月かけて温め続けていた想いは、最早呪いだ。
こんなにも晴れ渡った日なのに。
こんなにも綺麗なドレスを身に纏っている日なのに。
こんなにもたくさんの笑い声で溢れかえっている日なのに。
こんなにも自分を愛してくれている人達からの祝福が聞こえる日なのに。
それでも今、自分は泣きたくて仕方が無いのだ。
突っ伏して、ドレスを無茶苦茶に引き裂いて、わき目も振らずに。
そうしてしまえば、どんなに楽だろうか。
そうしてしまえば、この人は自分を見てくれるだろうか。
何を馬鹿なことを思っているのだろうか。
確かに、自分が泣いていやだと言えばこの人は全てを御破綻にしてくれるだろう。
方々に謝って、全部を背負って、自分を全力で守ってくれるだろう。
けれども、そんなものは望めない。そんなことをすればきっと彼は自分自身を責めてしまうだろう。
自分が、きちんとした愛情を与えてやらなかったから、自分が少女を歪めてしまったのだと。
そんなことは打ち止めには耐えられない。
だって、この人の笑顔が自分の幸せだから。
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