446:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[saga]
2011/01/21(金) 22:07:25.58 ID:fSpuMihf0
電話で興奮しながら言ってきたのは何年前だったろうか。
確か、打ち止めが中学くらいのころだ。それからことあるごとに彼女は話した。
確かに、骨ばった長い指に煙草がとても似合っている。
まじまじと見てみると思う。
20代の男で煙草を汚らしく、みっともなく吸う男は腐るほどいるが、カッコ良いと思わせる男はそうはいない。
一方通行は、美琴が今まで見てきた男の中で、彼の年齢にしてはするっと様になっている。
打ち止めとよく出かけていたこの男は、その度に何気ないタイミングでこの仕草をしていたのだろう。
今にしてみれば、それはとてもわかりやすく、打ち止めに『年上の男』を感じさせたのであろう。
「ヤレヤレ……煙草を吸う仕草くらいしかカッコ良くなかったってのも悔しいもンだなァ」
そうは言いつつも、悪い気はしないのか、一方通行の口調は柔らかい。
そんな一方通行を横目に見ながら、美琴は何故だか無性に切なくなった。
あの子はこんな風にいつも『異性の』コイツを見つめ続けてたんだ ―――― 自分を『家族』として見守り続けるコイツの隣りで。
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