過去ログ - とある夏雲の座標殺し(ブルーブラッド)
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VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2011/01/07(金) 21:11:21.95 ID:afA5KsAO
〜結標淡希の部屋・リビング2〜
結標「貴女も、私も、変な娘ね」
夢現の中で聞いた、夏風のように涼やかな声音の在処に私は耳をそばだてる。
閉ざした目蓋の中に広がる闇でその声の主の姿形を浮かび上がらせる。
姫神「(私は。変な子)」
クラスメートの女の子ともどこか違う、氷が肌を滑るような優しいクールさ。
最初は取っ付きにくい野良猫のような雰囲気だった。しかし
姫神「(貴女は。優しい子)」
迷い猫のようになってしまった自分に、歩み寄ってくれた野良猫。
何故ここまでしてくれるのだろう。この恩をどのような形で返していけば良いのだろう。
姫神「(どんな娘なんだろう。小萌から。小萌先生から聞いておけば良かった)」
むずかゆいような浮ついた気分、くすぐったいような好意。
学校が再開されるまで、新たな住居が確保されるまで上手くやりたい。
出来る事ならば仲良くありたい。しかし、出会った時に微かに香った――
姫神「(どうして。血の匂いがしたの)」
血液を司る能力を持つ姫神にとっては、同時に染み付いた血の匂いにも敏感になる。望む望まないに限らずに。
月のものとも違う、何人かの人間の血が入り混じった匂いが結標からした。
街中を歩いていても時折そんな匂いのする人間とすれ違う。
普通の人間なら汗の匂いほども気に留めないそれが姫神にはわかるから。
姫神「(何を。している娘なんだろう)」
かつて所属していた霧ヶ丘女学館でも結標を見かけた記憶がない。
学年が違うのだから当たり前なのだが、あんな血を連想させる髪の色をしていれば自分の記憶の片隅にでも残るだろうと。
どういった経緯で小萌に拾われたのか、それすら姫神にはわからない。
姫神「(これから)」
全てはこれからだと…そう姫神は考えた。そして次の瞬間にはどんなピザにしてもらおうかと頭が切り替わっていた。
図太い、と結標が姫神に抱いた印象は実のところそんなにかけ離れていなかったのである。
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