過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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224: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2010/12/11(土) 21:04:13.94 ID:gv3XuLoo

「そォか? じゃ、そォさせて貰うわ」

一方通行は一応受け取った紙袋の中を確認すると、研究員に向かって軽く頭を下げてから研究所を出て行こうとする。
すると、研究員は一方通行が出て行ってしまうのを待たずに研究所の奥へとさっさと歩いて行ってしまった。やはり忙しいのだろうか。

(コレ、意外と重いな……)

研究所のゲートを潜ってガードマンに見送られながら、一方通行はそんなことを思った。
少し気になって紙袋の中身を覗いてみれば、大きな瓶に詰められた薬剤がいくつも入っていた。どうやらこの重量の原因は瓶のようだ。
能力を使って身体能力を強化すればこんな重さを感じることも無いのだろうが、使用制限があるのであまり無闇に使いたくはない。

遠くの方で、ピーポーピーポーと救急車の走っている音がした。また何処かでテロが起こり、冥土帰しの病院に運び込まれたのだろうか。
テロが起こったのは第五学区なので上条や美琴は巻き込まれたりはしていないだろうが、
二人とも面倒事には片っ端から首を突っ込むような人間なので助けに行こうとかいう無茶をしてないとは言い切れない。

(それは流石に心配し過ぎか。アイツらの心配性がうつったか?)

……一方通行は、気づいていなかった。
最初の頃の彼だったなら、きっと気付いていただろう。しかし今の彼は、あまりにも平和に慣れ過ぎてしまっていた。
だから、気付くことができなかった。

路地裏の闇の中に、彼を付け狙う影が紛れていることに。



乾いた銃声が響く。
ガシャン、と手に持っていた紙袋が地面に落ちた。
一方通行の身体が、止まる。

しかし。

一方通行は、倒れなかった。
それどころか、右足首から小さな音がしたのを聞いただけだった。
けれど音のした場所に目をやれば、確かに銃弾が当たった痕跡として、僅かな煙が立ち上っていた。
更に足元に目を移せば、細い針のような銃弾が転がっている。

(な、にが)

何が起こったのかわからない。
動揺と焦燥と恐怖と後悔。
ただそれだけが、一方通行の頭の中を駆け巡る。
だが相手は、そんな彼を待ってはくれない。

『狙撃失敗。麻酔銃は『反射』に阻まれました』

『銃弾を高威力の衝槍弾頭(ショックランサー)に変更。狙撃準備』

「……!」



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