過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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337: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/01/07(金) 23:05:38.74 ID:i3GUHzEo



常盤台中学の中庭。日当たりの良い場所に設置されている白いテーブルに突っ伏しながら、美琴は携帯電話を睨んでいた。
昨日、御坂妹からの最後の連絡があった携帯電話だ。
結局あれきり御坂妹に会えていない美琴は、昨日からずっと彼女のことを気をしていた。
どんな事情があるのかは知らないが、あんなことがあったのだから顔くらい見せに来てくれれば良いのに、と思いながら美琴が溜め息をついた、その時。

「お姉様、とミサカはドッキリの如く背後から呼び掛けてみます」

「にゃあっ!?」

突然後ろから聞こえてきた声に驚いて振り返ってみれば、そこには御坂妹が立っていた。
こんなにも姉に心配を掛けておいて、彼女はいつもと変わらない平然とした表情でそこに佇んでいる。

「あ、アンタねえ。今までずっと何処行ってたのよ!? 電話しても全然出ないし、メールの返事は返って来ないし!
 どんだけ心配したと思ってんの!?」

「おおう、突然の大声とデレにミサカは驚きを隠せません。と言うか連絡ならしたではありませんか、とミサカは指摘します」

「一方的に電話掛けてきて一方的に喋って一方的に切ったじゃない! ああいうのはまともな連絡とは言わないの!」

「そうなのですか。では以後気を付けることにします、とミサカは謝意を示します」

けれどもちっとも悪いとは思っていなさそうな顔で、御坂妹はぺこりと頭を下げた。
そんな彼女に呆れていると、美琴ははたと御坂妹の身体のところどころに小さな傷があることに気が付いた。

「……アンタ、その怪我どうしたの? まさか昨日のあれに巻き込まれたんじゃないでしょうね?」

「ああ、これはついさっきミサカのことをお姉様と勘違いした不逞の輩に絡まれただけですので、お気になさらず。
 大した怪我ではありません、とミサカは疑いの眼差しを向けてくるお姉様に対して弁明します」

「ふーん……。それもあんまり良くないんだけど、まあ今回は不問にするわ。
 って言うか、アンタ一体どうやってここまで入って来たのよ? ここ、一応常盤台の敷地内なんだけど」

「妹と言ったら通してくれました。
 それに、きちんと通行許可も頂いてから来ていますので何の問題もありません、とミサカはここに至った経緯を説明します」

「ん? 『学舎の園』に入るには、そこの学校に通ってる生徒の紹介がない限り、かなり面倒で厳重な手続きが必要だったはずだけど……」

「まあ、ミサカにも色々なコネがありますので。それを利用しただけです、とミサカは意外と黒い一面を覗かせてみます」

「……なーんか疑念が拭えないんだけど、まあ良いわ。
 とにかく、わざわざそこまでしてこんな所に来たからには何か用があるんでしょ? 言ってみなさい」

御坂妹の次の言葉を促す為に言ったつもりだったのだが、当の御坂妹はそれを聞いて何故かきょとんとした顔をした。
そんな彼女の表情を見て、美琴は顔を引き攣らせる。

「……まさかアンタ、何の用も無いのにわざわざこんな所まで来たって言うの?」



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