過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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◆uQ8UYhhD6A
[saga]
2011/01/28(金) 02:32:23.25 ID:jMvwQYeBo
「わかった。ごめんねかきね、今のかきねは応援できない」
「ひでえ……」
大袈裟に肩を竦めて見せながら、垣根は彼女たちの方に向き直った。
彼女たちは、暗部の小組織『アイテム』に属する戦闘員だ。
『上』からの命令によって、学園都市統括理事会を含む上層部や自分たちと同じ暗部組織の暴走を阻止することを主な業務としている。
しかし彼女たちは、今回に限っては極めて個人的な理由によってその力を振るっていた。
「しっかし、まさかお前がこんなことをするなんてなあ。意外だ」
「うるっせえなあ。私だって、らしくねえことしてるのは分かってるっつうの。ま、本音を言うとテメェと逆の目に張ってみたかっただけなんだけどねえ」
「ああ、なるほど。納得がいったわ。つーか俺嫌われ過ぎだろ。何これイジメ?」
「むぎのは素直じゃない。……色んな意味で」
「それはどういう意味かな、滝壺ちゃーん?」
「……とにかく、ここは通してあげられない」
「無理矢理本題に入ろうとするなよ……」
相変わらずマイペースな二人に、垣根が呆れた顔をする。
……まあ、もしこれが高度な時間稼ぎなのだとしたら素直に拍手してやるが。
「だが、お前らが俺に敵うとでも思ってんのか? 自分で言うのもなんだが、無謀だぞ」
「あらあら、自信たっぷりねえ。ま、そういう態度を取ってくれてた方が潰し甲斐があるってもんだけど。
……滝壺」
「うん、分かってる」
滝壺が頷くと同時に、麦野は彼女に向かって小さなケースのようなものを投げた。
垣根は、あれが何なのか知っている。
「オイ、お前……」
「最近使ってなかったから、ちゃんとできるか分からないけど」
「……悪いわね」
滝壺は投げられたケースを受け取ると、その中に入っていた白い粉を微量だけ手の甲に降り掛ける。
そして手の甲に載せられたそれを、ほんの少し舌で舐めとった。
途端、滝壺の目が見開かれる。それまでぼうっとしていただけだった彼女の雰囲気が一変する。
それは、彼女が能力を発動する合図。
能力を暴走させることによって、初めて彼女の能力は発動する。
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