過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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◆uQ8UYhhD6A
[saga]
2011/02/03(木) 00:31:54.19 ID:JQC41bBwo
流石に、今から回避を間に合わせることなどできない。
それでも急所に当たることだけは避けなくてはと思い体を捻ろうとしたと同時に、拳銃から銃弾が放たれた。
しかし、そこで上条は不思議な現象を見た。
本来なら自分に向かって真っ直ぐ飛んでくるべき銃弾が、上条の目の前で方向を転換させて明後日の方向へ飛んで行ってしまったのだ。
けれど上条は、その光景に見覚えがあった。
「間に合った……」
「……忌々しい能力だ」
美琴が右手を引けと言ったのは、こういうことだったのだ。
上条の右手は、それが悪意によるものだろうが善意によるものだろうがまったく関係なく、すべての異能を打ち消してしまう。
だから美琴は右手を引かせ、磁力によって銃弾の軌道を操作することを阻害させないようにしたのだ。
「っぶね……、悪ぃ、助かった」
「ちょっとは後先考えて行動しなさいよね、もう」
美琴が呆れたように言いながらもほっとした顔をしている一方で、垣根は面倒くさそうに目を細めていた。
幻想殺しの性能を逆手に取ったつもりだったのだが、拳銃が金属製だったばかりに美琴に即座にその存在を悟られ、あっけなく失敗してしまった。
しかし上条に拳銃が有効なのは確実だし、美琴が銃弾から上条を守るためには幻想殺しを引かせなければならない。
それなりに有効な攻撃手段ではあるのだが、いまいち決定打に欠ける。
(……膠着、してんな)
使えないと判断した拳銃を後方に投げ捨てながら、垣根は正直にそう思った。
それに、先程からずっと一方通行が大人しいのも気にかかる。
……こうなったら、少し無茶をしてでも奴らを退けなければならない。
ざあ、と不自然な風が巻き上がる。
AIMのさざめきを感じ取った美琴は、それが何かを仕掛けてくる前兆だと悟って身構えた。
瞬間。
垣根が鋭く地面を踏み砕き、凄まじい速度で距離を詰めてきた。
標的は、美琴。
(ま、ずい!?)
この至近距離で能力を展開されたら、美琴であってもそのすべてを防御できるかどうか分からない。
しかし、ピンチとはチャンスでもある。
これだけの至近距離であれば、相手も美琴の十億ボルトを完全に防ぐ術など持っていないはず。
負傷覚悟で突っ込めば、行ける。
(こ、れ、くらいで)
虚空から滲むようにして、三対の翼が現れた。
それらすべてが、美琴に襲い掛かるべくしてその刃先を向けてくる。
(怯むもんか!)
けれど、美琴は前進をやめない。
彼女の全力、十億ボルトを垣根に向かって解き放った。
雷鳴と風切り音が、共鳴する。
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