過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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◆uQ8UYhhD6A
[saga]
2011/02/07(月) 22:18:55.27 ID:K0zOCZ8xo
相変わらず他人事のように喋る一方通行を、二人は黙って見ていることしかできなかった。
そして、束の間の沈黙が降りる。
しかし暫くの間を置いてから、上条が慎重に口を開いた。
「……それで、お前は何処へ行こうとしてたんだ?」
「外」
今更隠すまでも無いことなのだろう、即答だった。
そして実際、それは上条たちも予想していた答えだった。いや、彼は以前に一度だけそう言っていた。
ただ、それが本気だったというだけのことなのだ。
「あては、あるのか」
「冥土帰しが手配してくれた。信頼できる知り合いの病院らしい。
外の機関なら学園都市の連中でもおいそれと手出しはできねェし、そもそも範囲が広すぎて捜索だけで尋常じゃねェ手間が掛かる。
だから、俺にとってはそれが最善の策だった」
「学園都市じゃ、駄目だったの?」
「俺は、学園都市にいる限り永遠に狙われ続ける。俺一人が困る分には構わねェが、他の連中まで巻き込めねェだろ」
結局のところ、それが彼の答えだった。
自分の勝手な都合で、周りの人間まで危険に晒すわけにはいかない。ただ、それだけなのだ。
そこに、彼の意志は介在しない。
「……お前は、それで良いのか?」
「俺がどォ思うとか思わないとか、そォいう次元の問題じゃねェンだ。俺はただそこに存在するだけで……」
「そういうことを訊いてるんじゃねえ。お前がどうしたいのかって訊いてんだ」
珍しく怒気を孕んだ上条の口調に、一方通行はたじろいだ。
そして、少し驚いた。
自分が本当はどうしたいのかなんて、考えもしなかった。
「……俺、は」
だから、彼は言葉に詰まる。
どうしたいのか。
本心では、どう思っているのか。
……そんなの、答えは最初から決まっている。
「…………、……。俺は、ここにいたい」
その一言を搾り出すのには、途轍もない勇気を必要とした。
こんなにも正直に自分の本心を吐露するのは、記憶喪失になってから初めてだからかもしれない。
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