過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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568: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/03/04(金) 23:27:09.72 ID:TtRh/bLGo

「へ? いえ、確かにそういう人間を中心にレベルが上がっているようですが、一般の人の中にも急激にレベルが上昇した方がいるとか。
 身近にはそういう方は居ませんし、悪いことをしない限り取り調べたりはしないのでわたくしたちが把握しているのはごく僅かですが」

聞けば聞くほどおかしな話だ。
どうも、大勢の人間のレベルが一斉に上がっているらしい。通常ならば、絶対にありえない現象だ。

「他には何かある?」

「そうですわね……。そう言えば、もともとのレベルによって上昇具合が異なるようですわ。
 そしてあくまで現時点の話ですが、上限は大能力(レベル4)のようです。
 つまり、無能力者は一気に強能力者(レベル3)になれることがありますが、大能力者が超能力者(レベル5)になることはありません」

「ふうん……。じゃあ、未だに超能力者は7人だけ、ってこと?」

「現在こちらが把握している限りはそうですが、恐らくそうでしょうね。
 それにもしそんな人間が居たとしたら、それが善人であれ悪人であれとっくに大騒ぎになっている筈ですから」

「そうでしょうね。悪人だったらその力を使って事件を起こすでしょうし、善人であってもそれを友人なんかに自慢したがるだろうし」

そもそも、大能力者と超能力者の間には非常に高い壁がある。
例え大能力者の能力が無能力者と同じくらい大幅に上昇したとしても、それで超能力者認定されるとは思えない。
もともと超能力者に匹敵するほどの力を持つ大能力者なら話は別かもしれないが、それはそれで非常に希少だ。

「とにかく、そんな訳ですから路地裏に入るのは控えて下さいな。本当なら、表通りだって歩いては欲しくないのですよ?」

「はいはい。でも、そんなに物騒なことになってる割りにはこの辺りは賑わってるのね。いつもと変わらない気がするわ」

「皆、自分だけは絶対に巻き込まれないだろうと考えているのですわ。そんなことはありませんのに……。
 風紀委員も警備員もできるだけ早く帰るようにと促してはいるのですが、誰も聞く耳を持ってくれませんの。困ったものですわ」

美琴もあまり人のことは言えないので、とりあえず彼女は笑って誤魔化すことにした。
しかし、美琴には強力な能力を持っているという強みがある。
いざという時になれば、彼女は自分を守るどころか周囲の大勢の人々を守るれるだけの力を持っているのだ。

その一方で、道行く人々の中には無能力者も大勢いるに違いない。
……何の力も持っていないのにこんな恐ろしい街に繰り出すなんて、怖くないのだろうか。美琴には、そこだけが理解できない。

美琴がそんなことを考えていると、唐突に白井の携帯電話が鳴りだした。
懐から異常に小さい携帯電話を取り出した白井は、少しの会話の後電話を切ると美琴の方に向き直る。

「申し訳ありませんわ、お姉様。事件が起こったとかで急な呼び出しを受けたので、失礼させて頂きます」

「あ、うん。長い間付き合わせちゃってごめんね」

「いいえ、黒子は一向に構いませんわ! 少しでもお姉様と一緒にいられる時間が長くなるのであれば……」

「良いからさっさと行きなさい」



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