過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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569: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/03/04(金) 23:27:58.61 ID:TtRh/bLGo

そのまま再び抱き着いてきかねない勢いの白井の額をぺしんと叩くと、彼女は渋々と言った様子で空間移動してその場から姿を消した。
それを見送った美琴は、先程自分が立ち入ろうとした路地裏の闇を見据えながら物思いに耽る。

(……スキルアウトにテロリスト、ね)

この路地裏の向こうには、そんな恐ろしい存在が跋扈している闇の世界だ。
しかし、一方通行はきっとここに居るのだろう。
……大丈夫、だろうか。確かに彼は強力な能力を持っているが時間制限付だし、そもそも彼は追われている身だ。
何があってもおかしくはない。

(でも、流石にそんなことになってたら助けを求めてくるわよね。……たぶん)

手近な壁に背を預けて携帯電話を開く。
しかし、当然ながら誰からの連絡も入っていなかった。

あれ以来、一方通行とはまったく連絡が取れていない。
電源を切っているのか着信拒否をしているのかは知らないが、電話をしてもメールをしてもまったく繋がらないのだ。
……一体、どういうつもりなのだろうか。もしかしてずっとこのまま行方を晦ますつもりなのだろうか。

(まったく。ちょっとくらい私たちを信用しなさいよね)

携帯電話をぱたんと閉じながら、美琴が大袈裟に溜め息をついた。
しかしそう思う一方で、彼女は一方通行が自分たちを信用していないからこんなことをしている訳ではないことも理解している。
彼女が白井を巻き込みたくないのと同じで、彼も大切な人を危険な目に遭わせたくないだけなのだ。

(もう少し人を頼りなさいっての。あの馬鹿)

しかし、こんなところで愚痴っていても始まらない。
美琴はそう思い直すとちらりと路地裏への入口へと目をやり、少し考えてから暗闇へと足を踏み入れた。
……彼女には、例えどんな危険を冒したとしても諦めきれないものがあるから。





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