過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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◆uQ8UYhhD6A
[saga]
2011/03/09(水) 21:07:31.15 ID:1p14awS4o
「それでは交渉成立ですね、とミサカは双方に確認します」
「うん」
「あァ」
ほぼ同時にそう答えた二人を見て、上条はほっと胸を撫で下ろした。
そして、また一方通行ときちんと連絡を取れるようになったことに安心してもいた。彼もやはり、一方通行を放ってはおけなかったのだ。
……けれど、正直な心情を吐露すると、怖い。
学園都市の暗部なんて、まるで想像もつかない。どれだけ恐ろしい奴らなのかなんて、知るはずもない。これは、きっと美琴も同じはずだ。
それでも、どうしても見捨てられない。自分でも、どうしてそこまでしてやろうなんていう気になったのか分からない。
上条は美琴よりも少しは大人だから、彼女のように無鉄砲で怖いもの知らずにはなれない。
でも。
「では一件落着と言うことで。帰りましょうか一方通行、とミサカは帰宅を促します」
「……そォだな」
一方通行は御坂妹に手を引かれて、今度こそ二人に背を向けた。
しかしその背中に美琴の視線を感じながら、御坂妹はほんの少し表情を翳らせる。
(……最大のネックである垣根帝督は現在療養中で、当分はミサカたちに手を出してくることはありません。
つまり、現在危惧するべきは一方通行の天敵である木原数多と猟犬部隊の存在。
彼に対しては今の一方通行でも手も足も出ないでしょうが、相性的にお姉様なら対抗しうる。いえ、最強の護衛となりえるでしょう。
なので今この状況で、これ以上に心強い味方はいないのですが……、ひどい打算ですね、とミサカは自分の計算高さにうんざりします)
けれど、それは必要なことだった。
繰り返すが、いくら数で遥かに上回る妹達と言えど、木原数多と猟犬部隊のすべてを抑えておけるほど優勢なわけではない。
アイテムの助力も、諸事情により現時点では期待できない。
だから今は、目の前にあるすべてに縋ってでも戦力を整えなければならなかった。
だがそれは、本来巻き込むべきではない人々を巻き込む所業だ。
だから御坂妹は、そんな手段を以てしか彼を守ることの出来ない自分に吐き気を覚えてさえいた。
……すると、その時。
「……ン」
「あの……、何でしょうか、とミサカは疑問を呈します」
しかし一方通行は何も答えず、黙って御坂妹の頭を撫でているだけだ。
……記憶喪失になって尚変わらない彼の優しさも、今は鋭く胸に突き刺さるだけだった。
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