過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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662: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/03/18(金) 13:05:05.85 ID:1L/yEOX/o

真っ青な髪にピアスをした少年、青髪ピアスは人好きのする笑みを浮かべると一方通行に近付いてきた。
……尚、彼はきちんと制服を着ているし、鞄も持っている。
詳しいことは知らないが、確かこっちは上条の高校がある筈の方向だ。

よって彼が学校に向かっていることは間違いなさそうなのだが、上条が遅刻すると悲鳴を上げながら出て行ってから随分経っている。
これでは遅刻どころか、一限目の授業に間に合うかどうかさえ怪しいのだが。

「そうや、キミ名前は? 前はカミやんが一方通行って呼んでたのに合わせてたけど、あれ能力名やろ?」

「あ、あァ」

「やっぱりなー。名前はなんて言うの?」

やばい。勢いに押されてうっかり能力名であることを肯定してしまった。
自分でも『一方通行』という名前が本当に能力名なのかどうか、まだよく分かってないというのに。
しどろもどろしている一方通行を見て、青髪ピアスは怪訝そうな表情をする。
その時一方通行は、はっと先日の出来事を思い出して咄嗟に口を開いた。

「す、鈴科!」

「鈴科くんかいな? 覚えたで。ほな、改めて宜しゅうなー」

まさかこんなところであの時に考えた偽名が役に立つとは思わなかった。御坂妹に感謝しなくては。
しかし胸を撫で下ろしているのも束の間、青髪ピアスは首を傾げて更に質問を追加してきた。

「ところで、鈴科くんは学校行かへんの? こんな時間にこんなところうろうろしてたらあかんでー」

「お、オマエこそこンなところで何やってンだ? 上条はだいぶ前に走ってったぞ」

「ああ、僕はかまへんねん。ちゃんと目的があってこうしてんねや」

「目的?」

何か用事があって、それで遅刻してしまったのだろうか。
そう言えば青髪ピアスはパン屋に下宿していると聞いたことがあるから、その手伝いの所為で遅れてしまったのかもしれない。
パン屋の朝は忙しいのだ。たぶん。
……というのは一方通行の想像であって、現実は決してそんなに綺麗なものではなかったりする。

「そう! 小萌先生に叱られたくてわざと遅刻してるんや!!」

「………………」

リアクションに困って、一方通行は思わず固まってしまった。
しかしどうやらそのリアクションが普通だったらしく、青髪ピアスは彼の反応をまったく意に介さずに話を続ける。

「確かに小萌先生のあの可愛らしい瞳を涙で濡らしてしまうのは心が痛む! しかしそれ以上に! あの怒った顔!
 叱っている時は僕だけを写す瞳! そしてあの愛らしい声で罵りなじってくれるあの瞬間に僕のリビドーはげぼぉっ!?」

「よく分かンねェが、ヒト泣かすな」



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