過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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696: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/03/24(木) 23:06:42.29 ID:bmJudz08o

ピピピピピピピ。

埋め込み式時計のアラーム音で、一方通行は目を覚ました。
彼は暫らくアラームの音を無視してぼーっとしていたが、時間が結構ギリギリなことに気付いてアラームを停止させ、起床の準備に入る。
白衣に着替えながら、彼は大人しくなった時計をちらりと見やった。

……七月、十六日。

確か今日は身体検査(システムスキャン)の日だったか、なんて取り留めのないことを考えながら、一方通行は眼鏡を掛ける。
そして準備の最終確認をしていると、不意に部屋の扉がノックされた。

「なンだ?」

「あの、ミサカ19090号です、とミサカは自らの検体番号(シリアルナンバー)を報告します。少し遅れているようでしたので、様子を見に……」

「あァ、オマエか。わざわざ悪かったな。今行く」

「い、いえ、ゆっくりで構いません、とミサカは慌てて付け足します。それではこちらで待たせて頂きますね」

しかしミサカ19090号が言い終わるよりも早く、一方通行は部屋の扉を開く。
それが予想外だったのか、扉の横に立っていたらしい彼女は驚いてびくりと身体を跳ねさせた。

「……驚きすぎだろ」

「も、申し訳ありません、とミサカは謝罪します。それでは研究室にご案内します」

「ン? いつもの場所じゃねェのか?」

「はい。少々問題が発生しまして、第六研究室に変更になりました。確か、あなたはまだ第六研究室に行ったことがありませんでしたよね?
 そこで、このミサカが案内役を申し付けられた訳です、とミサカはここに至るまでの経緯を説明します」

ミサカ19090号の言葉に気のない返事をしながら、一方通行は先行する彼女の後について歩きはじめる。
すると彼は唐突に何かを思い出したような顔をして、前を歩くミサカ19090号に声を掛けた。

「そォいえば最近御坂妹……、ミサカ10032号を見かけねェンだが、オマエなンか知ってるか?」

「ミサカ10032号、ですか? 彼女は確か現在任務遂行中だったと思われます、とミサカは報告します。そろそろ帰って来るはずですけど」

「任務?」

「はい。ただ、任務と言うよりは彼女個人の知り合いからの頼み事、と言った方が正しいでしょうか、とミサカは訂正します。
 どちらにしろ危険なことではないので心配することはありませんよ? とミサカはすかさず補足します」

一方通行も御坂妹の強さは重々承知しているので、別にその身を心配しているわけではないのだが。
しかし、最後に会ったのがあのゲームセンターの時だったので、少し気に掛かっているのだ。
あの時の御坂妹の様子は、少しおかしかった。
御坂妹がいったい何を思って行動しているのかは知らないが、彼女も彼女でなかなかに事件に巻き込まれやすいタチだし、
何かおかしなことに巻き込まれていないと良いのだが……。



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