過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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714: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/03/27(日) 22:30:27.37 ID:5PE7BpyZo

(マジで何処やったっけか……。外か?)

一方通行は苛立ち紛れに頭をがしがしと掻き毟ると、外に出ようと部屋の扉を開いた。
あの眼鏡は機密保持の為のものなので眼鏡なしで部屋から出るのはあまり良くないのだが、この際仕方がない。
……しかし扉を開けた途端、ごすんと鈍い音がした。

「……ン?」

「い、痛いです……、とミサカは涙目になりながら頭を押さえます」

「あ、悪ィ……。タイミングが悪かったな」

「いえ……。ミサカも不注意でしたのでお気になさらず、とミサカは気遣います」

イライラしていた所為で八つ当たり気味にかなり強い力を込めて扉を押してしまったので、本当は相当痛かったはずだ。
それに実際、彼女――ミサカ19090号――の額は真っ赤になってしまっている。

「大丈夫か? たンこぶになる前に冷やしといた方がイイぞ」

「は、はい、お気遣い感謝します。それよりこれを、とミサカは一方通行に白衣を差し出します」

やっぱり痛かったのか、微妙にぷるぷる震えている彼女から白衣を受け取る。
どうやら白衣を洗濯しておいてくれたらしい。そう言えば白衣も部屋から無くなっていたな、と一方通行は思い出す。

「悪いな」

「それから、白衣のポケットにこれが入っていました、とミサカは報告します。お返ししますね」

「あァ、そンなところにあったのか……。どォりで見つからない筈だ」

差し出されたのは、眼鏡だった。一方通行はそれを受け取りながら、迂闊な自分に呆れるかのように息を吐く。
それで全ての荷物を渡し終えたのか、ミサカ19090号は空いた両手でぶつけた額を抑え始める。……本当に大丈夫なのか。

「濡れタオルくらいならすぐに作れるが……、いるか?」

「お、お願いします、とミサカは一方通行の厚意に預かります」

「分かった。そこ座ってちょっと待ってろ」

一方通行はミサカ19090号を適当な椅子を座らせると、洗面所へと姿を消した。
洗面所から聞こえてくる水の音を聞きながら、ミサカ19090号はきょろきょろと周囲を見回してみる。

本当に何も無い部屋だった。
ベッドの整え方がかなり適当だったり財布や携帯などの私物が適当に放り出されているので生活感はあるものの、とにかくものが無い。
恐らく、家具類を除いても彼の私物よりももともとこの部屋にあった備品の方が多い筈だ。
たぶん今彼が濡らしに行っているハンドタオルも、もともとこの部屋に備えられていたものだろう。

(正式な給料日はまだですが、生活に必要な手当は渡されている筈なのでお金はあると思うのですけど……、とミサカは心配します)



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