過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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751: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/04/05(火) 20:11:42.52 ID:dnwRI0/9o

元の場所に戻っては来たものの、そこに風紀委員の初春は居なかった。
代わりに、そこには避難誘導の手伝いを概ね完了させたらしい美琴が立っている。
きょろきょろと周囲の様子を窺っているところを見ると、どうやら彼女は退避確認を行っているようだ。

「オイ、何があった?」

「あ、アンタ何処行ってたのよ! アイツとあの女の子は!?」

「あのガキは上条に任せてある。それよりこの騒ぎについて、何か詳しいことは分かるか?」

「あーえーと、何て言えば良いのかな。取り敢えず簡単に言うと、この店に爆弾が仕掛けられたの。アンタは爆弾とか大丈夫だっけ?」

「平気だ」

端から聞いているととんでもない会話だが、実際に平気なのだから仕方がない。
美琴は一方通行の返事に頷くと、素早く次の指示を飛ばした。

「じゃあ、悪いけど他に残ってる人がいないか探して避難誘導して。殆ど退避させたけど、まだ逃げ遅れてる人がいるかもしれな……」

「鈴科! ビリビリ!」

美琴の言葉は、途中で上条の大声に遮られた。
彼女は一瞬苛立ったようだったが、上条の尋常でない焦り方を見て緊張を張り詰める。

「どォした?」

「あの子! こっちに来てないか!?」

「は? アンタが一緒に居たんじゃないの!?」

「あの後急に人が押し寄せてきて見失っちまったんだ! 多分まだ店内にいると思うんだが」

「アンタなにやって……」

だが、その時。
パタパタという気の抜けるような軽い足音と共に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「おねーちゃーん」

振り返れば、そこにはぬいぐるみを抱えて少し離れた位置にいた初春に駆け寄るあの女の子の姿があった。
一度は見失ってしまったその小さな姿を見つけて、上条はほっと安堵する。

「良かった。無事だったみたいだな」

携帯で同僚と連絡を取っていたらしい初春が、女の子に気付いて振り返る。
すると、女の子の持つぬいぐるみを目にした初春と美琴の表情が怪訝そうに変化した。

(……あれは、さっきの?)

「あのね、メガネかけたおにーちゃんがおねーちゃんにわたしてって」



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