過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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789: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/04/11(月) 21:38:27.58 ID:qiiDIWEBo

一方通行の能力は感知能力でもあるので真っ暗闇の中でも周囲の様子をある程度窺えるが、白井は大丈夫なのだろうか。
そんなことを考えていると、ぽつぽつと周囲に明かりが灯り始めた。非常電源が作動し始めたのだ。

真っ暗闇に目が慣れかけてしまっていた所為で一瞬目が眩んだが、それもすぐに慣れてきた。
彼は手元の電子手錠を再度確認すると、改めて不良の手首に押し当てる。ピピッという電子音の後に、電子手錠のロックが作動した。
そんなことを受け取った手錠の数だけ繰り返した一方通行は、立ち上がってふうっと息を吐いた。

「これで終わりだな。そっちは大丈夫か?」

「ええ、わたくしも今全員分の手錠を掛けたところですわ。……それにしても、お姉様はどうしてあんな場所で雷を……」

「どォせ上条がまた妙なこと口走ったンだろ。そンなことより、いくつか非常電源が作動してねェところがあンな」

彼が指差したのは、少し古びた背の高い建物だ。
その建物はまるで団地のように一塊になっているくせに、明かりのついている部屋が一つもない。こんな時間に、全員が就寝してるなんてことはないだろう。
確かあっちの方向には上条の学生寮もあった筈だ、なんて考えていると、顔を上げて建物に目を向けた白井が説明をしてくれた。

「あれは学生寮ですわ。もともと非常電源が備わっていないんですの」

「ふゥン……。このクソ暑い時期にご愁傷様だな」

「まったくですわ。まあ、わたくしたちには関係ないことですけれど」

「なンだ、オマエのところには非常電源ついてンのか」

「まあ名門常盤台中学ですので、そのくらいの設備は。むしろあなたの方が他人事では無いのでは?」

「俺ンとこも問題ねェ。つゥか、非常電源付いてねェと命に関わるからな」

「? 鈴科さんは病院にでも住んでらっしゃいますの?」

「……まァそンなところだ」

一方通行は適当に答えながら、拘束した不良たちを引き摺って一か所に集めていく。
攻撃の勢いのままに吹っ飛んで結構遠くまで吹き飛ばされてしまった不良も多いので、一塊にしておいて回収しやすくしているのだ。

(あ)

その時、ふと目に付いた電光掲示板に表示されていた日付を見て、一方通行は立ち止まる。
七月二十日。
いつか上条が教えてくれた、終わりの日。
そしてそれは、同時に始まりの日でもある。

(……夏休み、か)





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