過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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885: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/04/26(火) 17:47:35.01 ID:qA9b4sbZo

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「ここか」

想像よりも大きな建物を見上げながら、一方通行は一人呟いた。
当然だが、警備が厳重だ。
流石先進状況救助隊、なんて名の付いている集団の本部なだけある。

(さて、どォやって侵入するか)

入口で見張りをしている駆動鎧に見つからないように身を隠しながら、一方通行は研究所の門を覗き見ていた。
例によって、駆動鎧を撃退するだけなら簡単だ。五秒もいらない。
だが、ここは駆動鎧たちの拠点だ。いったいどれだけの駆動鎧が潜んでいるのか、想像もできない。
それに、もし長期戦に持ち込まれたら厄介だ。彼の能力には制限時間がある。

(あれからも訓練は続けてるが……。一時間はもたねェな、流石に)

それで十分な気もするが、黒幕らしいテレスティーナとかいう研究者が何処に潜んでいるか分からないというのもネックだった。
駆動鎧たちに気を取られて、テレスティーナを逃がしてしまっては元も子もない。すべて振り出しだ。

(こっそり侵入するのがベストなンだろォがこの警備状況じゃそれもほぼ不可能だろォし、俺一人じゃ工作も難しい。コネもねェしな……)

強行突破してそれっぽいところに特攻し、偶然テレスティーナに遭遇するという偶然に恵まれるとも思えない。
そんな運頼りは御免だ。無謀が過ぎる。
つまるところ、一方通行はここまで来て手詰まりになってしまったのだ。
が、その時。

「そんなところで何をしているんですか?」

唐突に背後から掛けられた声に、一方通行はぎくりとした。
見つかったか。ここは騒ぎにならない内に相手を黙らせておいて、奴らの仲間に状況が伝わってしまう前に行動を開始するのが最善の筈。
そう思い至った一方通行は背後を振り返り身構えようとして、そこに居る人物に驚いた。
見覚えのある、小さな体躯。フードの付いた袖なしカーディガンにホットパンツ。下手をすれば小学生に見えてしまいそうな程に幼い容姿。

「……オマエは」

いつか、滝壺を助けた時に出会った少女。
名前は確か、……絹旗。





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