693: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/13(日) 05:48:15.10 ID:WkhQ+rEs0
佐天(…………)
かがんで、つま先に引っかかっている名札を外す。
名札の裏の安全ピンの針の先が、つま先のゴム底に軽く刺さっていたのだった。
ここで普段なら「危ないっつーの」なんて言うところだが、さすがに今の佐天にそんな余裕は残っていなかった。
佐天(……2-9 鈴本繭……まさか……)
思わず、今走ってきた廊下の方に目を向ける。
佐天(……さっきの……肉塊の人のやつ……?)
全身が逆毛立ち、ぞわっとした感覚に襲われる。
走ってきてただでさえ荒い息が、激しさを増す。
思わず、手にした名札を床に置こうとしたが――それはためらわれたのだろうか。
安全ピンの針を納めると、そのままポケットにしまいこんだ。
自分の意思で持ってきたものではないとはいえ、そのまま捨てるのもためらわれた。
かといって、戻る気にも正直なれなかった。
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