762: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:29:08.55 ID:KhPFRn0y0
佐天(――あの縄って……てか、トイレで縄なんていらないよね?)
??「あは、そんな事言って」
763: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:29:37.58 ID:KhPFRn0y0
扉に手を掛けて、恐る恐ると引っ張る。
鍵は掛かっていないのか――軋みをあげながら、ゆっくりと開いた。
764: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:30:23.82 ID:KhPFRn0y0
呆然として、怯えている場合ではない。
すぐさま、右隣の個室の前へと戻り、きっとにらみつける。
765: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:30:55.63 ID:KhPFRn0y0
……カコン……
766: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:31:27.77 ID:KhPFRn0y0
ぐずぐずしていられなかった。
隣で起きたことがこの中で現実になろうとしているのなら――ちんたらしていたら、手遅れになる。
ましてや、一人会話なんかしている精神状態――そういうことをやらかしてもおかしくない。
767: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:31:56.40 ID:KhPFRn0y0
佐天「くそっ!!」
ついには突き刺さったバールに向けて、右足で蹴りを入れた。
1回や2回では、やはり結果は同じだったが――
768: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:32:22.42 ID:KhPFRn0y0
中に垂らされた――1本の縄。
769: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:32:52.74 ID:KhPFRn0y0
佐天「っつ!!」
??「あぐっ!!」
770: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:33:28.26 ID:KhPFRn0y0
佐天「だって……首を吊ろうとしてましたから……」
そういって、個室の真上からぶら下がっている縄を指差す。
771: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:33:54.41 ID:KhPFRn0y0
佐天「少し遅かったら、本当にやばかったでしたよ。覚えは無いのですか?」
??「うん……何してたか分からない……まさか、そんなことをしてたなんて……」
772: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:34:24.71 ID:KhPFRn0y0
――どれだけの時間が経っただろうか。
佐天と直美は、じっと押し黙ったまま、個室の中で座り込んでいた。
互いに声を発そうとする気配は――ない。
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