766: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:31:27.77 ID:KhPFRn0y0
ぐずぐずしていられなかった。
隣で起きたことがこの中で現実になろうとしているのなら――ちんたらしていたら、手遅れになる。
ましてや、一人会話なんかしている精神状態――そういうことをやらかしてもおかしくない。
767: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:31:56.40 ID:KhPFRn0y0
佐天「くそっ!!」
ついには突き刺さったバールに向けて、右足で蹴りを入れた。
1回や2回では、やはり結果は同じだったが――
768: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:32:22.42 ID:KhPFRn0y0
中に垂らされた――1本の縄。
769: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:32:52.74 ID:KhPFRn0y0
佐天「っつ!!」
??「あぐっ!!」
770: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:33:28.26 ID:KhPFRn0y0
佐天「だって……首を吊ろうとしてましたから……」
そういって、個室の真上からぶら下がっている縄を指差す。
771: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:33:54.41 ID:KhPFRn0y0
佐天「少し遅かったら、本当にやばかったでしたよ。覚えは無いのですか?」
??「うん……何してたか分からない……まさか、そんなことをしてたなんて……」
772: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:34:24.71 ID:KhPFRn0y0
――どれだけの時間が経っただろうか。
佐天と直美は、じっと押し黙ったまま、個室の中で座り込んでいた。
互いに声を発そうとする気配は――ない。
773: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:34:53.19 ID:KhPFRn0y0
佐天「足、痛めてるんですか?」
直美「捻挫なんだけどね……添え木もしているから、大丈夫だと思う」
774: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:35:33.35 ID:KhPFRn0y0
佐天「……気になるのですか……」
恐る恐る言葉を発する。
先程の一人会話の内容から――口にはあまりしない方がいいだろうと感じていた。
775: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:36:10.58 ID:KhPFRn0y0
佐天の脳裏に、先程の光景がよみがえる。
776: ◆IsBQ15PVtg[sage saga]
2011/03/19(土) 23:36:41.33 ID:KhPFRn0y0
佐天はゆっくりと左隣の個室の前に立つ。
そして、じっと目の前の世以子の亡骸を見つめて――静かに言った。
佐天「下ろしましょうか」
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