417:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/08(火) 11:22:09.04 ID:4/Yp8CWbo
いつからだろうか?
“みんな”と言う言葉に抵抗を覚え始めたのは。
多分、あのSプロセッサ社の戦いの前後からだろう。
初春がいう“みんな”には白井と美琴が含まれている。
佐天は美琴に会うのが気まずかった。
勝手に気まずいと思っているのは佐天だけだが、どうしても美琴に会うとあの戦いの時に一人で学生寮に籠もっていたことを思い出すのだ。
友人を失うかもしれない。そう思ったあの日の夜。
意を決してこんな仕事辞めてやろうか、と思ったが、結局辞めれなかった。
それは友人を失うというリスクと自分が人に言うことが出来ない仕事をしているという環境に居続ける事を秤にかけて、出した彼女の答えだった。
学園都市の最奥を知れる存在だとか、友人達の様に何か秘密を持って行動している事が最初はうらやましいと思った。
反面、今ではそんなものクソ喰らえだ、と思っている自分も居る。
いざ、電話をする仕事を辞めようと思っても、佐天は躊躇してしまうのだった。
それはやはり彼女が抱えている劣等感や周囲の能力者の会話を思い出すたびに思うことだった。
(やっぱり…辞められないよ!ただの無能力者は嫌だよ…!)
“周囲の能力者”と言うのが佐天が気を許せる友人なのだ…。
佐天は普段一緒に居る四人でする会話を思い出すたびに劣等感を感じずには居られないのだった。
しかし、彼女がこうしたどす黒い感情に包まれるのは日常生活の中のほんの少しだった。
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