434:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/08(火) 23:49:51.06 ID:4/Yp8CWbo
そして絹旗はかかとを踏んだままぎこちない足取りでドリンクバーに向かっていった。
浜面とフレンダが来たのはドリンクバーに絹旗が向かい、戻ってきた時だった。
いやぁ、遅れてごめん!と元気よくフレンダがいつも通り、元気いっぱい!という風な素振りで手を合わせて軽い調子で謝る。
浜面も「わりわり道が混んでてよ」、と頭をかきながら窓側座席に腰を落ち着けようとするが…まだ座れない様だった。
「浜面、やっと来たのね…全く…絹旗があんたがこない間にドリンク係を買って出てくれたんだから」
「そうなのか?絹旗、ありがとな」
ちゃんちゃらおかしい会話だが異論をはさむ人はアイテム内には誰も居なかった。
永久指定ドリンクバー係の浜面は既にその負け犬根性もたっぷりしみついたのか、ドリンクバー係を辞すことをあきらめているようだ。
まるで座る素振りを含めて冗談だったといわんばかりに浜面は立ち上がる。
すると彼は「何が良い?」とアイテムのメンバーに聞きはじめた。
各々のドリンク注文を受けてさながら一人私服のアイテム専属店員の様に浜面はドリンクバーと窓側座席を行き来した。
アイテムのメンバーの喉が潤い、ご飯も食べ終わり、いつものぼーっとする時間がやってくる。
この時にやっと浜面はお昼ご飯にありつけるのだ。
「いやぁ…冷えたハンバーグもうめぇなぁ…」
「憐れって訳よ…浜面」
フレンダが浜面の肩をポンポンと叩く。
今日の仕事で迎えに来てもらったねぎらいのつもりだろうか、とにかくフレンダは浜面を励ましてやった。
浜面は「ありがとな、フレンダ」と言いながらハンバーグにかぶりつく。
麦野が不意に言葉を発したのはこの時だった。
「ねぇ、電話の女って誰なんだろうね…」
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