483:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/12(土) 02:49:48.59 ID:8hjNMdxho
フレンダはがばっと首をあげて男の方をまっすぐに見据える。つい先程まで落胆していた彼女が一転して瞳をキラキラと輝かせている。
男はその動作を視界に捉えつつ弁を続ける。
「派手な戦い方を好むステファニーと対照的な凄腕の狙撃手…考えられない組み合わせではない」
「その狙撃手…どこの警備員の部署が要請したか分りますか?」
「いやぁ…かさねがさねで申し訳ないがそこまでは機密上、こちらも把握できる権限がないんだ、すまない…」
フレンダは男が悔しそうに顔をゆがめているのを見て、わかりました、と頷く。
しばらくの沈黙の後、男が再び口を開く。
「姉を探してるのか…?」
「えぇ」
「何で姉を探すんだい?」
「私の唯一の家族だからです…。死んでほしくないから…」
フレンダ自身もいつ死ぬとも知れない。
唯一の肉親である姉を見つけて、彼女はここから脱出しよう、そう心に決めた。
黒人の教諭が「家族のつながりは重要だからな」とあたりさわりのない言葉を述べてその場は終わりとなった。
短い会話だったが、フレンダは姉を探す手がかりを十分に得たと思った。
ともあれ、学園都市に要請されて狙撃を行った人物を割り出さなければ、と彼女は自分に言い聞かせる。
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