734:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/03/09(水) 02:25:17.82 ID:irmETSjMo
――砂皿緻密 ステファニー=ゴージャスパレス
「いやー…やっと出れますね、砂皿さん☆」
「あぁ。一ヶ月と少しか…長かったな」
砂皿とステファニーは立川郊外の雑居ビル群から出てきた。
一ヶ月以上籠城していたにもかかわらず、特にその表情からは疲労は感じられない。
毒ガスという実物でのブラフを利用したせいもあってか、この一ヶ月は外出するのを極力控えていた事以外は特に変化はなかった。
「恐らく…私達の行動も監視されちゃってるんですかねぇ?」
「あぁ」
二人は悠長なことを言いつつ、地上に出る。
恐らくこの時点で学園都市の治安維持部隊の照準に二人は映っているのだろうが、二人は何故撃たれないのだろうか?
それは彼らが持っている毒ガスに起因しているだろう。
一ヶ月ほど前猟犬部隊の三人の隊員が哀れにも毒ガスを浴びて死んだ。
毒ガスの成分は二人しか知らないのだが、彼らの手にはしっかりそれを治めた容器を手に提げていた。
仮に狙撃が成功したとしてももしショックを与えてしまって毒ガスがまき散らされでもしたら?
左手にはアタッシュウェポンケース、右手には数珠つなぎになっている透明の容器を納める透明のスーツケース。
背中には大きめのリュックを背負っている。恐らくそれぞれの得物が入っているのだろう。
砂皿とステファニーは雑居ビルの影に巧妙に偽装されているハーレーに乗り込む。
今回の運転は砂皿だ。
「行くぞ」
「はい」
ハーレーは心地よい排気音を上げ、一ヶ月以上の籠城直後とは思えない、健康な様子の二人を学園都市のビル群に向けて送り届けていった。
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