820:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/03/15(火) 18:08:05.15 ID:ZmrClH2Ho
麦野の脳裏にフレンダの顔が浮かぶ。
まさか、アイツ!裏切りやがったのか?
彼女は自分の頭に一気に血が上り沸騰する感覚を覚える。
「そのまさかだぜ?そもそも俺がアイテムの集合場所であるこのサロンの存在を知ってるのがおかしい話しだって思わなかったか?」
「……」
麦野の表情は怒りの表情になっていく。
自分が垣根に太刀打ち出来ない事が判り、しかもアイテムから裏切り者が出た事実に彼女は崩れ落ちそうになった。
「ここで絶望するか?」
さっと垣根は手をかざす。
麦野は掌に原子崩しを顕現させる。垣根には効果がないと分かっても、この苛立ちを誰かにぶつけなければ気が済まなかった。
「抵抗するなら…命の保証は出来ねぇぞ?原子崩し」
「うっさい…未元物質」
垣根はそうですか、と軽い調子頷きつつ話すと二人のいるサロンに(といっても半壊状態だが)赤いドレスを着た女がやってきた。
白のINEDの薄いカーディガンを羽織っているその姿はこの半壊したサロンの空間とあまりにも不釣り合いだったが、逆に奇妙にマッチングしている様にもみえた。
「あら、取り込み中かしら?帝督」
「心理定規じゃねぇか、どうした?」
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