950:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/03/28(月) 21:49:50.50 ID:qK/F6skHo
――翌日 「アイテム」のアジト 第七学区にて
麦野を医者に連れて行って、その後アイテムのメンバーは昨日の戦いの格好のままアジトにつくやいなや寝てしまった。
そして、絹旗はついに帰ってこなかった。
死んでしまったのかも知れない。
「おい、起きろ――!」
浜面はソファで倒れ込むように寝ている二人を起こす。
滝壺、麦野、そして浜面。
当初は四人いたアイテムも今や二人。下部組織の構成員である浜面も入れて三人という有様になってしまった。
「う…は、はまづら。きぬはたはまだ帰ってない?」
「あ、あぁ…まだ帰ってない…」
滝壺は浜面の沈痛な表情を見て、「そっか」と一言小さくつぶやく。
結局、昨日の夜、絹旗は一方通行に殺されてしまったのだろうか。滝壺は体晶を使って絹旗の居場所を確かめようと思い、ジャージのポケットに手を伸ばす。
しかし、滝壺が絹旗に体晶を渡してしまった事を思いだし、その手をポケットから再び出した。
あの時渡さなければ、絹旗は助かったのに…。そんな考えが彼女の脳裏に浮かぶ。
「絹旗、あいつはうちらの為に戦ってくれたんだよ…」
「わたしが体晶を渡さなければよかったんだ…」
「そしたら、あの場に居たみんなが死んでたぞ。あの第一位の狂った表情を見なかったのか?」
「……」
体晶を渡した事で自責の念に駆られる滝壺をしかし、浜面はいなす。
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