569:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/15(火) 16:38:34.88 ID:itzVSEe30
一仕事終わった、というのも有ったのだろう。安堵の溜息と共に振り向いた、少女の足にPSの電源コードが(案の定)引っ掛かった。
「はうわっ!?」
転ぶ少女。スローモーションで宙を舞う湯呑二つは俺の顔面直撃コース。おいおい、マジですか。とっさに避けようとするべきか受け止めるべきかを思案してしまったせいで判断が遅れる。どちらも間に合わない。
570:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/15(火) 16:53:15.70 ID:itzVSEe30
「有希……古泉くん……どうして……?」
おい、ハルヒ。その疑問よりも先ず俺を気遣う心とか無いのか。こっちは危うく大被害に遭うところだったんだぞ。
……いや、朝比奈さんを非難するつもりは有りません。有りませんから、そんな目に見えて気落ちされても弱ります。
571:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/15(火) 17:09:58.48 ID:itzVSEe30
「……私は何をすれば良い?」
ん? 質問されたのは俺か? あーっと、そうだな。先ずはお茶を飲んでその感想を朝比奈さんに言ってやってくれ……っていつの間にか湯呑空だし! 宇宙マジック! 神秘!
「平常と比較して茶葉の成分がおよそ八パーセント多く抽出されている。しかし苦味や酸味といった成分は逆に抑えられていた。朝比奈みくる」
572:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/15(火) 17:30:48.46 ID:itzVSEe30
ハルヒに歩き寄った古泉は、グラウンドに面した窓をガラリと開ける。窓枠に手を掛けるとソイツは言った。
「貴女を迷惑に思った事が無いと、言ったらそれは嘘になります」
恐らく、ハルヒによって一番振り回されてきたのは古泉たち超能力者だ。だから、その言葉は仕方が無い。言葉を遮る事も、きっと俺には許されないだろう。古泉の本音ってのを初めて聞かされた、そんな気がしたってのも有る。
573:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/15(火) 17:56:32.58 ID:r+ggR93DO
財布ン中の小銭を空にしてきた
今から読む
574:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/15(火) 17:56:41.38 ID:itzVSEe30
では、と一言そう言ってレッドボール古泉が窓の外へと飛んで行く。世界を守る戦いへと向かう、その軌跡に迷いは無い。一直線に校門近くで暴れている神人へと突っ込む。
長門がそれを追いかけるように窓の桟に足を掛けた。
「有希、ちょっと待って!」
575:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/15(火) 18:15:08.27 ID:itzVSEe30
「……何よ……なんで……なんで誰もアタシを責めないのよ! アタシのせいでみんな迷惑してるんじゃない! アタシのせいでみんな困ってるんでしょ! 違う!? だったら……だから……みんな、帰ってよ……一人に……一人でいなくなるつもりだったのに」
ハルヒの膝が折れる。そのまま床に崩れ落ちたソイツを抱き締めたのは……まあ、俺じゃない。こういうのはもっと適役が居るからな。
「みんな、涼宮さんが好きなんですよ」
576:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/15(火) 18:28:04.08 ID:itzVSEe30
きっと、そうだ。
戯言なんかじゃ届かないものってのを届ける方法。それはこういうのなんだ。古泉が、長門が、朝比奈さんが、教えてくれた。
たった一つの、冴えたやり方。
「嫌いな訳……無いじゃない!」
577:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/15(火) 18:46:02.99 ID:itzVSEe30
「信じてますよ、ええ」
ホント、どの口が言うのか。
「なあ、ハルヒ。現実問題、だ。こうやって五人ともここに揃っちまった以上、お前が今創ろうとしてる新しい世界ってヤツには五人とも残るぞ? お前が今まで迷惑を掛けてきた長門も朝比奈さんも古泉も」
578:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/15(火) 19:05:04.22 ID:r+ggR93DO
クラスチェンジktkl
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