過去ログ - 美琴「週末は アイツの部屋で しっぽりと」
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2: ◆nE9GxKLSVQ[saga]
2011/01/22(土) 13:29:18.13 ID:SumbvhkSo

 二月初旬の、とある土曜日。

 暦の上では立春を迎える学園都市は、まだ寒風が肌を撫でていく真冬の只中にあった。
 この時期は受験や学期末試験といった、学生達の神経を擦り減らす行事を間近に控えており、
 街中ですれ違う若者達は誰もが冷えこむ気候に身を縮め、暗澹とした表情をして歩いている。
 
 しかし、買い物袋を携えた御坂美琴(みさか みこと)はその辛気臭い雰囲気を物ともせず、
 太陽のように燦々と輝く笑みを浮かべ、一人軽やかな足取りで歩いていた。
 午前中で授業を終えて昼食を食べ終えた頃から高ぶる気分を抑えきれず、
 今日の逢瀬に思いを巡らせてほんのりと惚けている。
 対向する者はその幸多そうな表情にあてられ、みな怪訝な顔をしながら道を譲っていく。

「アイツの家に泊まるのも、今日で五度目かぁ」

 小さなメモリアルが、心躍る美琴の高揚ぶりに拍車をかけている。
 手にした袋は食材でギチギチに満ち、少女の手に食い込むほどの重さだが、
 二人の幸せな食卓を作ることに思いを馳せると、羽が生えたように軽やかだった。


 御坂美琴が、上条当麻(かみじょう とうま)と恋仲になって早二ヶ月が経つ。


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